『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』リマスター記念 ポールのアルバムについて 第9回「バック・トゥ・ジ・エッグ」
グレイテスト・ヒッツがポールが考えていたほど売れず、アメリカではレコード会社を移籍した。このアルバムはお金かかってますよ。ジャケットからもわかる。
メンバー2人招集して、クリス・トーマスも呼んで、ロケストラも企画した。ロケストラのギャランティも高いよ。
ヴァーナス・アンド・マースもう一度、といった感じがジャケットからも、そして内容も香りたっている。“Getting Closer”から全開だ。どの曲も、悪くない。ただ思うのは、オーヴァー・アメリカから3年、ポールの音楽は若者にとって、ぬるく、丸くなってしまった。ただそれだけのことかもしれない。
いろいろ反省して、節制もして金もかけて作った結果がこれか、という感じがウィングスパンDVDのインタビューから感じる。ロケストラにはペイジ、ベック、クラプトンが参加するというデマもあったが、このアルバムは買いましたよ。今となっては、いいアルバムだと思うんだけどなあ。
蛇足ながら、リリースから半年後に始まったツアーは“Got To Get You Into My Life”で幕を開け、“Getting Closer”でぶっ飛ばしたと思ったら、次は“Every Night”なんかをやる。オーヴァー・アメリカとは違うもんね、というポールの意向だろうか。そこから地味は曲が5,6曲続く。そのあとの“Maybe I'm Amazed”で歓声があがり、ビートルズを2曲ほどやったあと、また“Hot As Sun”なんていうマニアックな曲をやる。新曲を挟んで“Twenty Flight Rock”なんかやるが、こんな曲やらなくてもウィングスのヒット曲があるだろう、と思ってしまう。次の“Go Now”で歓声が上がる。やっぱり観客は、オーヴァー・アメリカの再現を望んでたんじゃないの?そのあともよくわからない。“Wonderful Christmastime”“(まだ未発表の)Coming Up”“Goodnight Tonight”をやる。彼のムラっ気が出ている気もする。そこそこ評判のいいライヴだったようだが、やっぱりオーヴァー・アメリカにはかなわず、そこには時代の風もあったんだな。
9回に亘ってお送りしてきましたリマスター記念ですが、調子に乗ってマッカートニーⅡ以降もやるかもしれません。やらないときの保険で先に言っておけば、私が好きなアルバムはオフ・ザ・グラウンドとフレイミング・パイとドライヴィング・レインです。以上。
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