必要にして不可欠
お正月らしい話題から。(といっても松の内が開けてしまった…)
この元旦から、ヘンドリックスの版権がユニバーサルからソニー・ミュージックに移ったそうな。なんか3月にはオリジナル盤にDVDやボーナスを付けて再発するほか、「完全未発表曲集」をうたったCDも出るらしい。
なんとなくリマスターノリがするが、これを機会に入り乱れた音源が整理され、音質向上が図られればとてもうれしい。
いまさらではあるが、ヘンドリックスってすごい。オリジナリティというジェネレーションでは、ディランやエルビスと比肩し、残念ながら、レノンやマッカートニーはその下に位置するのではなかろうか。
その3人のうち、唯一のリビング・レジェンドは3月にZeppに来るが、ヘンドリックスが生きていたら今頃どうしていただろうか。
私は彼もまた、Zeppでやっている気がしてならない(ジェフ・ベックもやったことだし)。音楽的には紆余曲折しながらも、最終的に渋ーいギタリストになって、やっぱりロバート・ジョンソン・ツアーかアルバート・キング・ツアーをやり、ラストをバープル・ヘイズで決めていたんじゃなかろうか。
パフォーマーとしてディランやクラプトンと同様、やり続けている気がする。このあたり、ジョン・レノンが生きていたら…と考えると、あまりパフォーマーとして固執しなかったんじゃないだろうか。きっとジョンはジョージやジミー・ペイジのように、セミ・リタイアっぽい感じになってたと想像するんだけど…(実際晩年はセミ・リタイアしてたけど)。
ところで彼のアルバムをどれか一つ、と言われれば、廃盤で恐縮だが、「ジ・エッセンシャル」だ。70年代に発売された彼の2枚組ベストアルバムだが、自分が10代の頃はこれが流行り、エレキギターを持っている奴はこのアルバムを聴いていた(はず)。
A:①Are You Experienced? ②Third Stone From The Sun ③Purple Haze ④Little Wing ⑤If 6 Was 9 B:①Bold As Love ②Little Miss Lover ③Castles Made Of Sand ④Gypsy Eyes ⑤Burning Of The Midnight Lamp ⑥Voodoo Chile (Slight Return)
C: ①Have You Ever Been (To Electric Ladyland) ②Still Raining, Still Dreaming ③House Burning Down ④All Along The Watchtower ⑤Room Full Of Mirrors ⑥Izabella
D:①Freedom ②Dolly Dagger ③Stepping Stone ④Drifting ⑤Ezy Rider
Bonus EP:Gloria
このドットのジャケ写。私と同年代で、当時ギターを弾いていた人なら「ああ、あった、あった」と言ってくれるだろう。ある種ツェッペリンのセカンドのように、ギター教本化した感じもあった。
選曲がいい。時代を反映しているのか、彼の作品群の中でもハード・ロックに振った選曲に感じる。おまけとして、“GLORIA″なんてマニアックな曲の片面(!)シングルが付いていて、これがまたいいのだ。
この後30年、オフィシャルはほぼ聴いたが、なんかヘンドリックスはこのアルバムに尽きる気がしている。
そんなことはない、あれと、これと、あれも抜けている、という人には、このアルバムがそこそこ売れたおかげで、「2」も出たようだ(知らなかった)。
A:①Hey Joe ②Fire ③Foxey Lady ④The Wind Cries Mary ⑤I Don't Live Today ⑥Crosstown Traffic
B:①Wild Thing ②Machine Gun ③The Star Spangled Banner
うーん、まさにエッセンシャル。「1」で欠けてた6曲でA面を埋め、いや、ヘンドリックスはライブでしょう!という人のために、B面は極めつけ3曲のライブを入れている(しかもモンタレー、フィルモアウェスト、ウッドストック)。
このボリドールの企画盤は、異例のことだと思うがワーナー転籍後も再販されている。
さすがに「2」は「1」ほどの売れ行きが見込めないと見たか、「1」からGLORIAの特典EPを引っぺがして、変形ジャケットにして販売している。売れ行きはどうだったのか…
で、89年にはCDでも復刻されていた(爆)。
知らなかったので今回入手したところ、ジャケットは「2」で、中身は「1」+「2」+GLORIAで2枚組CDであった。
Volume One:①Are You Experienced? ②Third Stone From The Sun ③Purple Haze ④Hey Joe ⑤Fire ⑥Foxey Lady ⑦The Wind Cries Mary ⑧I Don't Live Today⑨Little Wing ⑩If 6 Was ⑪9Bold As Love ⑫Little Miss Lover ⑬Castles Made Of Sand ⑭Gypsy Eyes ⑮Burning Of The Midnight Lamp ⑯Voodoo Chile (Slight Return) ⑰Crosstown Traffic ⑱Still Raining, Still Dreaming
Volume Two: ①Have You Ever Been (To Electric Ladyland) ②All Along The Watchtower ③House Burning Down ④Room Full Of Mirrors ⑤Izabella ⑥Freedom ⑦Dolly Dagger ⑧Stepping Stone ⑨Drifting ⑩Ezy Rider ⑪Wild Thing ⑫Machine Gun ⑬The Star Spangled Banner ⑭Gloria
リマスター後の音を知っている耳で聴くと、アナログ起こし?と思う感じだが、曲順がいただけない。収録時間の調整や、企画者の趣味の悪さか、元々の曲順に並べ替えて聴くと、「ジ・エッセンシャル」まさにそれだった。
パープル・ヘイズの後はリトル・ウィングでなければならない。スティル・レイニングのあとはバーニングダウンで、すぐにウォッチタワーがあってフル・オブ・ミラーズでないとダメ。イザベラとフリーダムはイントロが似ているが、C面の最後とD面の1曲目ならとてもいい繋がりだったのだ。いろいろ気づくところがあって、奥深い。
最後にジャケ写だが、やっぱりオリジナルが一番いい。あの帽子を被っている写真こそ、私にとってのヘンドリックスなのだ。
「ウォッチタワー、あれはもうジミの曲だ」ボブ・ディラン
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