2019年5月 4日 (土)
2019年5月 4日 (土) 静岡県島田市
2時ごろまでルーティングと振り返り。
4時までうとうと。
ネカフェは乾燥していて、Tシャツでも楽勝で乾くが、靴下のゴム部は乾きが悪い。履いて乾かすしかない。これは今回学習したこと。
5時チェックアウト。
六合発5:24、島田5:26着で今日はスタート。
駅前の銅像は、なんでも日本にお茶の苗を持ち込んだ僧らしい。
足は重症だ。踏み出すのがやっと。靴の中はマメだらけで、体重をかけられない。
でもこのまま歩いていると、マメの入っている袋が圧力がかかって伸びるのか、マシになってくる。毎日その繰り返し。
ここにきて、ニューバランスのタンが右足の甲に干渉する。腹が立ってタンを全部外に出して靴紐をしばる。
6:10、大井川に出る。この橋はすごい。ここは二つの広重ポイントで、島田は左岸から、金谷は右岸から描かれている。
長い長い橋を渡る。
どのぐらい時間がかかるのだろう、と思っていたが、15分ほどだった。
渡りきる前に金谷ポイントを撮影。だが無粋な橋の骨組みを入れなければならない。
橋の北側に歩道はないし、渡り切ってからでは川脇の木々に邪魔されてしまう。一応、渡り切ったところからも撮ってみるが、どちらが趣があるだろうか。
…なんか渡り切ったところでもいいような気がしてきた。
橋を渡ったところからコンビニが見えたので、朝食が摂れる!と喜んだ矢先、すぐに脇道に街道が折れていく。
空腹にたまらず、少し街道を逸れてファミリーマートでたまごサンドを食べる。
7:04、清水川に鯉のぼり。そう、明日は端午の節句だ。足も随分よくなっている。
7:30、新金谷駅。なんか見たことあるなーと写真を撮る。
あとで調べると近鉄特急だった。そう、大井川鉄道は私鉄の旧車両がバンバン走っている。
JR金谷駅を越えると、山の中に入っていく。
金谷坂は地元が石畳を整備している。ここで私は身も凍る思いをするとは。
勝手知ったる石畳、滑らないように足元を見ながらテンポよく登っていく。
8時ごろだったが、まだ今日は誰かが登ったような気配はなかった。朝露も残っていた。
石畳に薄く積もる落ち葉を、シュルシュルと右から左に50センチぐらいのオレンジ色っぽい蛇が横切る。
何が嫌いって、蛇ほど嫌いなものはない。思わず声を上げてしまった。
しかし身が凍ったのは、そのあとだった。
蛇が行き過ぎて顔を上げたとき、坂の上、右前方5メートルぐらいのところの何かが慌てて笹の茂みに逃げていった。
体長1メートルぐらいの熊だった。
目の錯覚かと思ったが、後で調べると金谷のあたりでも出るらしい。
熊はずっと見ていたに違いない。
気が付かなかったのはこっちで、予想外に私が声を上げてこっちを見たので、慌てて逃げたのか。
蛇に気を取られていなかったらどうだったんだろう。
登りだったので足元しか見ていなかった。だから蛇にも早く気付いた。
鉢合わせていたら、どうしたらいいのか。
そのあとは、なんだかわからないけれど、声を出しながら坂を慌てて登った。
歌なんか歌える気の持ちようではなかった。
数分登ると、茶畑を縫う舗装道に出た。
こんなのどかで人気のありそうなところでこんな思いするなんて…。
ともかくホッとした。
ここも箱根と同じで旧道はショートカットしており、舗装道は後から斜度を保つためにウネウネとS字に敷設されている。
しばらく舗装道を行く。
ここから久延寺まで、えげつない坂道が続く。
箱根とも、こわめし坂とも違う、まわりの見通しがよくて直線的な坂。自転車で登っている人もいるが、相当キツそう。
9時ごろ、久延寺に着く。門前にベンチが置かれているので、お参りのあと、休ませてもらう。
時折、チャリダーがヘトヘトになって上がってくる。
ここは一応峠で、ここから下っていく。
小夜の中山峠は、東海道三大峠ともいうらしい。あれ?薩埵峠は?
それにしても、富士川を渡って薩埵峠。
安倍川を渡って宇津峠。
そして大井川を渡って中山峠、という川→峠を三日連続で繰り返している。その前も酒匂川渡って箱根峠、と言えなくもない。
朝から冷や汗をかき、さらに坂で本当の汗をかいたのでのどが渇く。
自販機で水を買う。
あとから思えば、このあたりから今日は調子が悪かったのかもしれない。
道端には時々西行の歌碑があるが、この句は今の自分に照らし合わせ、印象が強かった。
年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけりさやの中山
9:45、広重ポイント。
夜泣き石跡である。
もう少し撮影ポイントがあったのかも知れないが、無粋なコンテナが放置してあったり、朝の事件もあったので早めに引き上げる。
このあと、二の曲がりというところを通過するが、これは女転がしどころではなく、鬼のような斜度の坂。
これを下っていくと1号線をくぐって日坂の宿に入る。
日坂の宿を抜けて、10時過ぎ、広い県道に出る。
すると建物もなく、日差しを遮るものがなくなる。ここで、この旅最大の危機が訪れる。
とてもではないが、この先、日差しをまともに受けながら(帽子も持っていなかった)、しばらく直線的に続いているこの県道を歩く気持ちになれない。
コンビニはおろか、店も見えない。県道の陸橋の下、日差しをよけながら、しばし休憩を取る。
どうも体調を少し崩したようだ。
朝から暑く、のどの渇きも続いているし、空腹感もあって力が出ない。
どうしようか。バスが走っているようなので、最寄の駅に出て休息をとろうか。
…結論は出ない。
しばらく休んだあと、折り畳み傘を日除けに歩くことにする。
...少しはマシだ。歩きだしてみる気になれた。
事任八幡宮はお祭りのようで(あとから調べると天皇陛下御即位奉祝のお祭りだったらしい)、出店の準備をしている。
出店でなんか食べたら元気が出るかもしれない。でもなんかまだ誰も来ていない。
泣く泣く通過して、しばらく歩くと道の駅の標識が。
しかし県道からは、まだだいぶ坂を上ったり下りたりしなければならないようで、その元気もない。
折り畳みを差しながら、トボトボ歩いていく。
あまり記憶がないが、約1時間、3キロほど歩いたところにファミリーマート千羽店があった。
お握り二つとビタミンウォーターを買い、ファミマの駐車場の日陰で休憩する。
ふと、大きな音で目が覚める。
ドン、ドン、ドン。
見ると、目の前の道を神輿が過ぎていく。さっきの八幡宮のお祭りらしい。
時計を見ると11:35。
どうやらお握りを食べたあと、駐車場で三角座りして寝てしまったようだ。
昨日の丁子屋といい、ここのところ朝早く、睡眠もちゃんと取れてなかったのかもしれない。
よろよろと、また折り畳み傘をさして歩き出す。
ほんの10分ほど歩いた本村橋交差点に、屋根付きのベンチがある。水飲み場もある。頭から水を被り、ベンチでしばらく横になる。
すると私より年配の方が来て、ベンチで休む。
茨城から来て、東海道を歩いておられる。途中電車を使ったり、観光をしたりしながら休みを利用したたりして、割にラフに楽しんでおられるよう。
昨日は島田のホテルに泊まり、今日は袋井まで行きたいが、掛川城も見たいとのこと。
もう少し休息しようとしてる私をあとに、先に出発される。
私の気力、体力もたぶん回復してきたのだろう。
この方が先に行くと、急に「こんなことしていられない、俺も頑張りたい」と思いだし、後を追うことにする。
また頭から水を被り、再出発。
しばらく歩くと掛川市中心部に入ってくる。
「七曲り」と言われるように駅前の路地を右に左に折れてアーケード。ここもシャッター街。新幹線停車駅とは思えない。
13:30、十九首水源地公園で少し休む。今日は1時間ごとに休憩だ。
近くでゲートボールをやっている。若い人はどこへ。
すると、いきなり落雷があり、北の空が真っ暗になっている。これはやばいかもしれない。
14時、広重ポイント。
空がやばい。秋葉山が隠れてきた。
でも昔、私の写真からは読み取っていただけないだろうが、広重のこの大池橋から秋葉山の構図のチョイスは素晴らしいと思う。
(秋葉山は黒雲の中に…)
今夜の宿のそばを通り、天竜浜名湖線の西掛川駅を通過する。この駅は築堤上に設置されており、こんなところに駅が…という感じ。すばらしい。
松並木が延々と続く。情緒よりも、歩きにくい。
松と道端の間は狭く、かといって車道と松の間も狭くて出入りが多いので危険。いよいよ強めの雨が降ってきた。
15:54、袋井東小学校前。「ど真ん中 東」ってすでにど真ん中と違うやん。笑ってしまう。
だいぶ足がつらい。なかなか広重ポイントの「ど真ん中茶屋」が出てこない。
16:30に雨は上がり、先を行く夫婦連れの会話からも、「茶屋」を探している様子。しかし、タクシーも探している。
突然タクシー会社を女性が見つけ、夫にそこで交渉するように言っている。一人道を進んでいくと、茶屋が現れる。うーん、なんかざんない。いなたい。
(ほんとはこんな感じ?)
16:42、本陣跡交差点で今日の行程を終え、駅に続く道を見るとバスが停まっている。
走ろうにも走れない。
バス停まで早足で行っても、バスは行ってしまった。時刻表を見ると、次は1時間後。
やむを得ず、痛い足を引きずり引きずり袋井駅まで10分ほど歩く。16:55のJRで掛川に戻る。
天竜浜名湖線はうまく連絡していない。30分も待ち時間があり、バス停のベンチで時間を潰す。
何やら肌寒くなった。
17:30に乗り、さっき通過した西掛川駅で降りる。
今晩は、丸亀製麺で温かいうどんを食べる、と決めている。
それも牛すきうどんにして、パワーをつける。
が、これは失敗だった。すでにひどく甘辛いだしに絡められており、それを卵で緩和するもの。
口の中がべたついてしかたなかった。大失敗。
18:07入店。今日も奥のブース。
客対応は可もなく不可もなくだ。
シャワーに入り、足指の絆創膏をすべて剥いで消毒液を塗り、19時から21時まで寝る。
そのあと0時過ぎまで振り返り。
明日のルーティングをすると、地図の西編は、当然に東編と連動しているのかと思ったら、4キロほど欠落があった。
2~3時間かけてGPSマップを見ながら細かくルーティング。
今日は本当にたいへんな日だった。
5/4(土) 5:24-18:10 29キロ 52千歩
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