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2019年6月

2019年6月15日 (土)

2019年5月 5日 (日)

2019年5月 5日 (日)  静岡県掛川市

3時からまた横になる。

6時に出発。前編最後の快活は、本当に可もなく不可もなくだった。

西掛川の駅に上がる。美しい。

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6:17の始発に乗り、6:21掛川着。

20分ほどJRの待ち合わせがあるので駅前のローソンに入る。

何も食指が動くものがないが、サンドイッチと栄養強化型野菜ジュースを買って朝食。

6:50袋井着。

足の指はつらいが歩き出す。

ところがどこまで歩いても昨日のポイント(静橋北)が出てこない。行き過ぎ。

またバックして旧街道に戻る。昨日のルーティング通りに歩く。

「ど真ん中 西」

袋井西小学校でまた笑う。

少し迷ったものの何とか西編の地図に連結。

9時頃、旧見附学校脇で休憩。

近くにマックスバリュがあり、入店すると抜群にいい焼き芋の香り。

しかしどこを探しても焼き芋はない。

焼き芋機に電源を入れたら、こんな匂いがしたらしい。

磐田市内を歩いた後、11時前に天竜川に出る。

広重ポイント。橋の北側から撮りたかった。歩道がないんです。

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新天龍川橋を渡り浜松市内に入るが、渡りきったところから旧道への道に少し迷う。

前を行く若いカップルも道を探しているようで、ついていく。

遠景だけども浜松アクトシティが見える。それでもグーグルマップで1時間半もかかる表示。

ということは実際には2時間以上もかかるということ。さすがに見附宿から2時間がたち、休憩もしたいし腹も減った。

こんな6メートルの旧道なのに、うなぎ屋のビルがある。
道を挟んで広い駐車場もある。
店の人が出て車を案内している。

11時に開店したばかりだけれど、家族の法要みたいな人がぞろぞろ入っていく。

少し行き過ぎて、少し悩む。

どっちみち浜松駅に着いたら、うなぎが食べたいと思っていた。

もう11時だし、腹も減っている。
ネットで調べると、悪くない。
こんな場所でこんな営業をしている店、まずいはずがない。

思い切って、入る。

テーブルは予約で、座敷に案内される。

次々と客が入ってくる。ここのうなぎの思い出を語っている客もいる。

長く待たされることもなく、うな重が運ばれてくる。

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まずいはずがない。
普段食べているような臭みなどまったくない。

外側はたれでコーティングされていて、中は口の中でほろほろと溶けていく。

ただ、私にはうなぎの良しあしがわかる舌を持っていないと悟った。

この1/3の値段で普段食べていることを思うと、それでも十分うまいのだ。

実は自分の顔の自撮りもしたのだが、9日間の日焼けでどっちが蒲焼きかわからなくなっていた。

キャッシュカードは使えなかったが、店員の対応も悪くなかった。
駐車場の案内をされている男性にお礼を言って、また歩き出す。

浜松バイパスをくぐる。

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これまで、こういうカットは撮ってこなかったが、今日は最終日なのでこんな余裕も生まれる。

昨日、日坂でしんどい思いをして、だんだん歩いていることの目的を見失ってきていることを自覚した。

保土ヶ谷まで歩いた、あんな新鮮さがやはり失われて、歩くことそのものが目的となり、到達することが目的になりつつある。

別にそれでもかまわないが、ちょっと見直したほうがいい。面白くないだろう?

旧街道はところどころに松を残している。

アクトシティは見えるのに、なかなか近づいていかない。
少しずつ街並みが整っていき、13:12馬込橋に来る。

浜松はお祭り。写真にも写っているが、法被姿の親子連れが行きかっていて、楽しそう。

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広重ポイントだけれど、どのみち「浜」も「松」も今はなく、代わりにビル群があるだろうと思っていたので期待していなかったが、馬込橋から浜松城方向を見ると、やっぱりここに違いないと思う。

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同じ風景を求めなくても同じ場所にたって、広重の絵を偲ぶことはそれだけで楽しい経験だった。

さあ、一応今回の旅の目的はほぼ終えた。

ここで電車を見ると、13時39発である。あと30分もない。マップでは15分で行けるはずだが、ちょっと焦る。
 
重い足だが駆け足で、駅へ向かう。

街はお祭り。人も多い。迷いながら、地下道を抜けて13:30に駅着。

本来なら全然余裕だが、長距離きっぷを買わないといけない。

ICOCAで乗って、精算してもいいのだが、できればちゃんとしておきたい。

みどりの窓口に行くと、並んでいる。

Uターンのピークの日だものね。

ここはじっと待つ。慌てているのが駅員にも伝わる。13時37分、きっぷを買う。

ダッシュで構内に入り、売店でうなぎパイと水を買い込む。
この際、ICマネーは便利。トイレに立ち寄る時間はなかった。

滑り込みで快速に乗り、トイレのある先頭車両に移る。
ほっとして、無性にのどが渇き、買った水を飲み干す。

こうなると、トイレに行きたいとか思わないのが不思議。
思いのほか、車内は空いている。

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30分ほど乗って、豊橋で乗り換える。
これも問題ない。
トイレの前を陣取って、少し眠る。

名古屋周辺で多少混み出すが、思ったほどではなく、むしろ岐阜周辺のほうが混んでくる。

どうも、高山方面に登山やハイキングに行った人の帰りのよう。

16:39米原着。
これは何度か利用したことがあり、当駅始発の新快速なので楽勝、と思ったら、到着するなりみんな反対側のホームに人を押しのけて走る。
やっぱり行楽客とUターンか。

次の彦根から乗ってきた人はほぼ座れず、京都までラッシュ並みであった。
隣の男性も、独り登山帰りのようだった。

最寄り駅についたのは18時を少し回っていたが、明るかった。

駅前のローソンで、見附で逃した焼き芋を買って帰宅する。現実に引き戻される。

以上、前編(東編)の終わり。


5/5(日) 6:50-13:25 22キロ 38千歩

 

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2019年6月14日 (金)

2019年5月 4日 (土)

2019年5月 4日 (土)  静岡県島田市

2時ごろまでルーティングと振り返り。

4時までうとうと。

ネカフェは乾燥していて、Tシャツでも楽勝で乾くが、靴下のゴム部は乾きが悪い。履いて乾かすしかない。これは今回学習したこと。

5時チェックアウト。
六合発5:24、島田5:26着で今日はスタート。

駅前の銅像は、なんでも日本にお茶の苗を持ち込んだ僧らしい。

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足は重症だ。踏み出すのがやっと。靴の中はマメだらけで、体重をかけられない。

でもこのまま歩いていると、マメの入っている袋が圧力がかかって伸びるのか、マシになってくる。毎日その繰り返し。

ここにきて、ニューバランスのタンが右足の甲に干渉する。腹が立ってタンを全部外に出して靴紐をしばる。

6:10、大井川に出る。この橋はすごい。ここは二つの広重ポイントで、島田は左岸から、金谷は右岸から描かれている。

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長い長い橋を渡る。

どのぐらい時間がかかるのだろう、と思っていたが、15分ほどだった。

渡りきる前に金谷ポイントを撮影。だが無粋な橋の骨組みを入れなければならない。

橋の北側に歩道はないし、渡り切ってからでは川脇の木々に邪魔されてしまう。一応、渡り切ったところからも撮ってみるが、どちらが趣があるだろうか。

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…なんか渡り切ったところでもいいような気がしてきた。

橋を渡ったところからコンビニが見えたので、朝食が摂れる!と喜んだ矢先、すぐに脇道に街道が折れていく。

空腹にたまらず、少し街道を逸れてファミリーマートでたまごサンドを食べる。

7:04、清水川に鯉のぼり。そう、明日は端午の節句だ。足も随分よくなっている。

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7:30、新金谷駅。なんか見たことあるなーと写真を撮る。

あとで調べると近鉄特急だった。そう、大井川鉄道は私鉄の旧車両がバンバン走っている。

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JR金谷駅を越えると、山の中に入っていく。

金谷坂は地元が石畳を整備している。ここで私は身も凍る思いをするとは。

勝手知ったる石畳、滑らないように足元を見ながらテンポよく登っていく。

8時ごろだったが、まだ今日は誰かが登ったような気配はなかった。朝露も残っていた。

石畳に薄く積もる落ち葉を、シュルシュルと右から左に50センチぐらいのオレンジ色っぽい蛇が横切る。

何が嫌いって、蛇ほど嫌いなものはない。思わず声を上げてしまった。

しかし身が凍ったのは、そのあとだった。

蛇が行き過ぎて顔を上げたとき、坂の上、右前方5メートルぐらいのところの何かが慌てて笹の茂みに逃げていった。

体長1メートルぐらいの熊だった。

目の錯覚かと思ったが、後で調べると金谷のあたりでも出るらしい。

熊はずっと見ていたに違いない。

気が付かなかったのはこっちで、予想外に私が声を上げてこっちを見たので、慌てて逃げたのか。

蛇に気を取られていなかったらどうだったんだろう。

登りだったので足元しか見ていなかった。だから蛇にも早く気付いた。

鉢合わせていたら、どうしたらいいのか。

そのあとは、なんだかわからないけれど、声を出しながら坂を慌てて登った。

歌なんか歌える気の持ちようではなかった。

数分登ると、茶畑を縫う舗装道に出た。
こんなのどかで人気のありそうなところでこんな思いするなんて…。

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ともかくホッとした。

ここも箱根と同じで旧道はショートカットしており、舗装道は後から斜度を保つためにウネウネとS字に敷設されている。

しばらく舗装道を行く。

ここから久延寺まで、えげつない坂道が続く。

箱根とも、こわめし坂とも違う、まわりの見通しがよくて直線的な坂。自転車で登っている人もいるが、相当キツそう。

9時ごろ、久延寺に着く。門前にベンチが置かれているので、お参りのあと、休ませてもらう。
時折、チャリダーがヘトヘトになって上がってくる。

ここは一応峠で、ここから下っていく。
小夜の中山峠は、東海道三大峠ともいうらしい。あれ?薩埵峠は?

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それにしても、富士川を渡って薩埵峠。
安倍川を渡って宇津峠。
そして大井川を渡って中山峠、という川→峠を三日連続で繰り返している。その前も酒匂川渡って箱根峠、と言えなくもない。

朝から冷や汗をかき、さらに坂で本当の汗をかいたのでのどが渇く。
自販機で水を買う。

あとから思えば、このあたりから今日は調子が悪かったのかもしれない。

道端には時々西行の歌碑があるが、この句は今の自分に照らし合わせ、印象が強かった。

 年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけりさやの中山

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9:45、広重ポイント。
夜泣き石跡である。

もう少し撮影ポイントがあったのかも知れないが、無粋なコンテナが放置してあったり、朝の事件もあったので早めに引き上げる。

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このあと、二の曲がりというところを通過するが、これは女転がしどころではなく、鬼のような斜度の坂。


これを下っていくと1号線をくぐって日坂の宿に入る。

日坂の宿を抜けて、10時過ぎ、広い県道に出る。
すると建物もなく、日差しを遮るものがなくなる。ここで、この旅最大の危機が訪れる。

とてもではないが、この先、日差しをまともに受けながら(帽子も持っていなかった)、しばらく直線的に続いているこの県道を歩く気持ちになれない。

コンビニはおろか、店も見えない。県道の陸橋の下、日差しをよけながら、しばし休憩を取る。

どうも体調を少し崩したようだ。
朝から暑く、のどの渇きも続いているし、空腹感もあって力が出ない。

どうしようか。バスが走っているようなので、最寄の駅に出て休息をとろうか。
…結論は出ない。

しばらく休んだあと、折り畳み傘を日除けに歩くことにする。

...少しはマシだ。歩きだしてみる気になれた。

事任八幡宮はお祭りのようで(あとから調べると天皇陛下御即位奉祝のお祭りだったらしい)、出店の準備をしている。

出店でなんか食べたら元気が出るかもしれない。でもなんかまだ誰も来ていない。

泣く泣く通過して、しばらく歩くと道の駅の標識が。
しかし県道からは、まだだいぶ坂を上ったり下りたりしなければならないようで、その元気もない。

折り畳みを差しながら、トボトボ歩いていく。

あまり記憶がないが、約1時間、3キロほど歩いたところにファミリーマート千羽店があった。
お握り二つとビタミンウォーターを買い、ファミマの駐車場の日陰で休憩する。

 

ふと、大きな音で目が覚める。
ドン、ドン、ドン。
見ると、目の前の道を神輿が過ぎていく。さっきの八幡宮のお祭りらしい。

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時計を見ると11:35。

どうやらお握りを食べたあと、駐車場で三角座りして寝てしまったようだ。
昨日の丁子屋といい、ここのところ朝早く、睡眠もちゃんと取れてなかったのかもしれない。

よろよろと、また折り畳み傘をさして歩き出す。

ほんの10分ほど歩いた本村橋交差点に、屋根付きのベンチがある。水飲み場もある。頭から水を被り、ベンチでしばらく横になる。

すると私より年配の方が来て、ベンチで休む。

茨城から来て、東海道を歩いておられる。途中電車を使ったり、観光をしたりしながら休みを利用したたりして、割にラフに楽しんでおられるよう。

昨日は島田のホテルに泊まり、今日は袋井まで行きたいが、掛川城も見たいとのこと。

もう少し休息しようとしてる私をあとに、先に出発される。

私の気力、体力もたぶん回復してきたのだろう。

この方が先に行くと、急に「こんなことしていられない、俺も頑張りたい」と思いだし、後を追うことにする。

また頭から水を被り、再出発。

 
しばらく歩くと掛川市中心部に入ってくる。
「七曲り」と言われるように駅前の路地を右に左に折れてアーケード。ここもシャッター街。新幹線停車駅とは思えない。
 
13:30、十九首水源地公園で少し休む。今日は1時間ごとに休憩だ。

近くでゲートボールをやっている。若い人はどこへ。

すると、いきなり落雷があり、北の空が真っ暗になっている。これはやばいかもしれない。

14時、広重ポイント。
空がやばい。秋葉山が隠れてきた。

でも昔、私の写真からは読み取っていただけないだろうが、広重のこの大池橋から秋葉山の構図のチョイスは素晴らしいと思う。
(秋葉山は黒雲の中に…)

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 今夜の宿のそばを通り、天竜浜名湖線の西掛川駅を通過する。この駅は築堤上に設置されており、こんなところに駅が…という感じ。すばらしい。

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松並木が延々と続く。情緒よりも、歩きにくい。

松と道端の間は狭く、かといって車道と松の間も狭くて出入りが多いので危険。いよいよ強めの雨が降ってきた。

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15:54、袋井東小学校前。「ど真ん中 東」ってすでにど真ん中と違うやん。笑ってしまう。

だいぶ足がつらい。なかなか広重ポイントの「ど真ん中茶屋」が出てこない。
16:30に雨は上がり、先を行く夫婦連れの会話からも、「茶屋」を探している様子。しかし、タクシーも探している。


突然タクシー会社を女性が見つけ、夫にそこで交渉するように言っている。一人道を進んでいくと、茶屋が現れる。うーん、なんかざんない。いなたい。

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(ほんとはこんな感じ?)

16:42、本陣跡交差点で今日の行程を終え、駅に続く道を見るとバスが停まっている。

走ろうにも走れない。

バス停まで早足で行っても、バスは行ってしまった。時刻表を見ると、次は1時間後。

やむを得ず、痛い足を引きずり引きずり袋井駅まで10分ほど歩く。16:55のJRで掛川に戻る。

天竜浜名湖線はうまく連絡していない。30分も待ち時間があり、バス停のベンチで時間を潰す。
何やら肌寒くなった。

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17:30に乗り、さっき通過した西掛川駅で降りる。

今晩は、丸亀製麺で温かいうどんを食べる、と決めている。
それも牛すきうどんにして、パワーをつける。

が、これは失敗だった。すでにひどく甘辛いだしに絡められており、それを卵で緩和するもの。
口の中がべたついてしかたなかった。大失敗。

18:07入店。今日も奥のブース。
客対応は可もなく不可もなくだ。

シャワーに入り、足指の絆創膏をすべて剥いで消毒液を塗り、19時から21時まで寝る。


そのあと0時過ぎまで振り返り。

明日のルーティングをすると、地図の西編は、当然に東編と連動しているのかと思ったら、4キロほど欠落があった。

2~3時間かけてGPSマップを見ながら細かくルーティング。

今日は本当にたいへんな日だった。


5/4(土) 5:24-18:10 29キロ 52千歩

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2019年6月13日 (木)

2019年5月 3日 (金)

2019年5月 3日 (金)  静岡県静岡市

2時頃まで振り返りをしたあと、4時までうとうとする。

4:50出発。朝の繁華街はけっこう怖い。

5:02の東海道線で清水に戻ると、待望の富士山が見える。

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5:12歩き出し。2時間ほど歩いたところで県立美術館前付近では旧道に折れていなければならなかったが、休憩がしたくて県道沿いにコンビニを探していると、道を誤ったことに気付く。

そのまま静岡鉄道に沿って旧街道は進むが、JRとの交差でいったん切れる。

地図では、現在は北村地下道を通るとあるが、この地下道、危険極まりなかった。

車が1台ぐらいの幅の地下道で暗いため、対向で降りてきた車が私に気付くのが遅れたら逃げようがない。
途中、在来線と新幹線の間に申し訳程度に退避箇所もあるにはあるが、これが生活道路となっているのはすごい。
本当怖かった。

再び静岡鉄道と並走するが、しずてつはラッピングが美しい。

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東静岡あたりでふたたびJRをくぐるが、またしばらく行くとくぐり直す。
このあたり、何があったんだろうか。

旧街道としずてつは比較的並走しているが、JRと1号線は直線的に敷設されている。

東海道を除く街道筋も、直線的に敷設されている。
比較的早めに街道が整備されたことや、府中宿は大きく、城下町の整備が進んだことが理由だろうか。

ともかく、地下道くぐりはあまりしたくない。

8時、出発地点に近づいてくる。
腹も減り、出発から3時間でだいぶ足も疲れているので新静岡あたりで休憩を考えていると、繁華街のど真ん中なのに小伝馬町公園が広く美しく、トイレもあるのでここで休憩。
今日も暑くなりそう。

このあと、実はもう一回あるのだけど、できれば出発地は宿より先にあるほうがいい。
しかたがないのはしかたがないが、今回、東戸塚、吉原と静岡は前に進んで宿にしたために、翌日はバックしてスタートし、宿の地をもう一度通ることになったが、やっぱり旅情がそがれる気がする。

静岡城周辺の緑は美しい。少し手前にあった清水山もそうだったけれど、どうやって保全しているのだろう。

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昨日泊まった快活の前を通り、今日2回目となる静岡繁華街を横断する。

少し外れたあたりで脇道へ入るが、山と渓谷社の地図にある目印となる店はない。この中心部だけで誤りが3か所はあった。

人気が少なくなると不安になり、地元の人に尋ねてみる。
親切なことに曲がり角までついてきて教えてくれる(「二筋前を左」だけでもよかったけど…)。

教えてもらったけど、手掛かりがなくて不安になる。

特に驚いたのは、この地区に目印とされて記載されている神社がない。
いくつもない。案内看板は出てくるし、GPSでも間違っていないのだけれど、駐車場しかない。

はっ、と見上げると、駐車場の2階が神社になっていた。
こんな箇所が何か所かあった。
これは何か、歴史的な背景があったのだろうか。さっきのJRの迂回といい、静岡市の都市整備には何か特別な事情がありそう。
 
街中を抜けて、これまた今回楽しみにしていた石部屋に9:48到着。開いていた。

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次々とお客が車でやって来る。これもまた昔と変わらない光景なのだろう。静岡の観光スポットみたい。

安倍川餅はきなこと白砂糖が分けてかけられている。
なるほど、好みに合わせてということか。
餅はつきたて。今日の朝食である。

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客がスマホを忘れている、と店の人。
これも今は昔の風情。トイレを借りて再出発。

さて、府中の広重ポイントは安倍川で、地図には「賊機山を背景に安倍川の川越しが描かれている」とのことであるが、賊機山は安倍川の東側なので、橋を渡ったところから振り返った構図になるはず。

でも描かれているのは山側へ渡っている様子だし…と思って風景を見ると、これって徳願寺山とか、西側風景じゃないの?

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安倍川橋を渡って丸子の宿に入っていく。

しかしこのあたりはずいぶんニュータウン化している。

山に近づくにつれ、道が細くなり家が古く点在化して旧街道らしくなっていくと、10:50とろろの丁子屋到着。

11時開店で、びっくりするほどの人。えー、である。とろろ汁ですよ?安倍川餅の比ではない。

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こんな小さな店で、どれぐらい待たないといけないのか。

タイムロスもさることながら、今日は朝から気温も日差しもあるので、体力の消耗が心配。
これから峠越えを控えてて、しかも宿も決まっていない。

恐る恐る店員さんに聞いてみた。

入店は15分ぐらいかかるけど、あとは早いとのこと。本当?

もっと早くに通過する場合にはあきらめなきゃいけなかったし、そもそもGWは休みの可能性もあったので、これはチャンスかもしれない。
一応、少し待ってみることに。52番。

すると店員さんの説明通り、11時になるとどんどん店内に案内され、ほぼ15分で店内に入ることができた。
民家から奥に続く別館があり、中はすごく広い。すぐに注文も取りに来る。

ここから少し時間がかかり、朝も早かったことから少し居眠ってしまう。

みんな靴を脱いで座敷に上がるのだが、少し臭う。
ヤバい。
でも仕方がない。

シンプルなとろろ定食が出てきて、2合ぐらいあったろうか、おひつ一杯の麦飯は食べ放題。
でも1時間ほど前に安倍川餅食べているので、そんな食欲があるわけではない。

一杯いただく。うん、とろろ。

正午前には店を出るが、店員さんの対応はすごくよかった。

それと、足の臭いは私ではなかった。
マメを悪化させないよう消毒は頻繁にしているし、靴の中も蒸れないよう2時間に一回は靴下を脱いで乾燥させているのだ。

店を出たときも相変わらず来店者は多かった。

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さて、おなかも一杯。
丁子屋から県道を離れ、山すその道をくねくねと進む。が、しばらく集落もなく、ラブホテルと採石場である。

道を間違いかけて進むと、対向車の大将が車を止めて「この道は違うよ」(何が)と教えてくれる。

昨日ぐらいから、日焼けもあって、私を一目見てトウカイダーと判定してくれる人が増えたみたい。

しかし暑い。背中は汗びっしょり。
しばらくすると1号線に合流して、道の駅がある。

これ幸いと休憩し、出がけに頭から水を被る。これが爽快爽快。いかに参っていたかがわかる。
正気に戻る、という感じ。しばらくは涼しい。

山の中に入っていくので、ああ、いよいよまた山道か…と思っていたら、12:50頃、整備された宇津の谷の集落に出る。

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ストリートビューもないので、まさにここは秘境。

本当に山間の小さい集落で、なぜここを整備したのかはよくわからない。

「美しいまちなみ優秀賞」も受賞しているらしい。きっと整備前も間宿の雰囲気が昔からまったく変わらなかったのかもしれない。
こここそ、石畳が美しかった。

ここからしばらくは本当に山の中に。

どこが峠なのか、表示が正しいのかわからない。
一つ間違えると遭難しそう。せめて標示ぐらいはちゃんとしてほしい。

本当に宇津の峠である。
しかし、昨日の薩埵峠よりさらに楽で、降りてくるとすぐに開け、13:15、蔦の細道との分岐に出る。

慌てて広重ポイント。おそらく、昔は右側の川の流れもよく見えただろう。

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また1号線に出て歩くと、再び道の駅。
さっきあまりに爽快だったので、少しバックして、休んでからまた水を被る。


しばらく岡部川に沿って歩くと、だんだん道が広くなり、14時過ぎに岡部宿。

立派な大旅籠跡などがある。

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しばらく松並木の大通り1時間ほど続き、なんだかおしゃれな家まで出てくる(どうやら美容室らしい)。

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少しバス停で休んだ後、再び歩き出すが、長く続く松並木はなかなか藤枝宿にたどり着かない。

途中、水守交差点付近で迷い、児童公園でトイレを借りると子供に開けられる。

かなり疲れてくる。もう16時頃。まだ着かない。

さらに30分ほど歩いて、やっと藤枝宿。

広重ポイントは問屋場内で、現上伝馬交番横に大きな看板が出ている。

この広重の絵は、珍しく風景に乏しい。
「人馬継立」と題され、鬱蒼とした森の中の問屋場内の様子が描かれており、山も川も富士もない。

上伝馬交番の前に立ち、どうしても気になることがあった。

それは、背後の“森”だった。
街道筋から奥に進むと境内地があって、大きな木が見える。絵の鬱蒼とした森は、この森ではないのか?

問屋場では手続きをする業者は多く、街道に入口があり、奥にこの絵の手続きをするところがあったのでは?

重い足を引きずり、奥へ進むと「月見里神社」(やまなしじんじゃと読む)があり、この大楠は天然記念物だそうだ。
ひょっとしたら、この本殿で継立の手続きをしていたんじゃないだろうか。

当時の寺社の役割を考えると、まんざら妄想でもないのかもしれない。

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写真を撮って街道に戻る。もう17時だ。藤枝駅までもまだだいぶ距離がありそうだ。

ネットで探しても、藤枝で今夜空き室のあるホテルはない。選択肢はなく、六合の快活に行くしかない。
ただし風呂はない。どうするか。

もう少し歩けば、島田との中間地点にスーパー銭湯があるらしい。
六合で休んでから行くか、明日の朝風呂という手もある。
 
瀬戸谷川の袂で少し休んだ後、また歩き出す。
地図やグーグルマップではもうそこなのに、1時間ぐらい歩いて18:30宿着。疲れた。

ともかくミニッツメイドをガブ飲みする。大きな荷物を置いて、着替えだけ持ってまた歩き出す。

途中退出なので受付に伝票を預けておこうとすると、変な顔をされる。
いらないそうだ。


さらに20分ほど街道を歩くが、さすがに暗い。
今回、夜歩きは避けてきた。走破が目的ではないのである。

風景が見えなくては意味がない。

しかし先を急ぐと、どうしても風景を味わったりする余裕などなくなってしまう。

歩き始めて思いのほかだったのは、これだけ旧街道が入り組んで現道から離れたりまた合流したりすると頻繁に地図を確認する必要がある。
足の向くまま気の向くまま、みたいな呑気な歩き旅はできないのだった。


19時過ぎ、スーパー銭湯着。混んでる。
浴室に入ると、床に玉砂利が埋めてあり、痛くて痛くて歩けない。
なんとか脇を歩いて洗い場に行く。

腕は日焼けのため、湯にはとてもつけられない。

…しかしとても気持ちがいい。
炭酸湯では詰め合わさないで座っているので、座っている人を蹴り飛ばしながら奥に入る(笑)。

サウナも短時間だったが、久しぶりに汗を流す。
ジェット風呂で凝っているところをもみほぐしたいが、うまくいかないので電気風呂を使ってほぐす。

結局20時ごろまで湯舟に浸かったあと、洗面で足指のケアを堂々とやり、髪の毛を乾かす。

さて、帰ろうと外に出ると、足が膨れて痛くて歩けない。
何とか騙し騙し20分歩き、ダンススタジオの角で街道から分かれて、20:50島田駅着。

島田は割に街路整備がなされている駅前だった。

21:04発のJRに2分ほど乗り六合に。
ここは最も駅近の快活ではないだろうか。
駅前広場に隣接しており、駐車場を乗り越えて入ることができる。

多目的トイレで下着やTシャツを選択した後干し、22:30から2時間ほど爆睡。

5/3(金) 5:12-18:30 (+70分) 41.3キロ 72千歩

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2019年6月12日 (水)

2019年5月 2日 (木)

2019年5月 2日 (木)  静岡県富士市

今日は富士市を出発して、薩埵峠を越えた後、いよいよ静岡入りである。

宿泊は清水あたりを考えているが、そろそろ上がりも意識する。
一応、予定の袋井からまだ先に行けそうな感じではある。

2時から4時まで、できるだけ体を休めることに意識を集中しながらウトウトする。
4時からはもう、出発の準備。

5時にフロントへ行くが、相変わらず対応は悪い。

「ポイントは全部使ってください」と申し出るまでしれっと手続きをしていて、その言葉で気付いたことを私に伝わらないようにしている。

ダメだこれは。

さあ、さっさとこんなところは後にするぞと5:10出発。
しかし歩き始めて10分と立たないで靴の調子がよくない。地域子育て支援センター前で靴を直す。

天気はいいが今日も富士山はよく見えない。こんなに近くなのに。
薩埵峠からの富士山もちょっと望み薄。

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富士川を渡ったところに信号があり、すごく長い。
すると後ろから自転車で来た人がボタンを押している。なんだよ、もう。

小高い旧街道に入り、途中までは地元も整備していて非常にわかりやすかったが、住宅街に入ってくると突然わかりやすくない。
迷う迷う。行き過ぎたり、地図に書いてあるものが違っていたり。
 
疲れたので、7時過ぎごろ東名高速をくぐるあたり、中之郷道標のベンチで休憩。

向かいのアパートの人が朝起きて窓を開けると、汚いオッサンが靴下脱いでベンチで休んでる、というのは精神衛生上よくないだろう。
少し休んでまた歩き出す。

中之郷の集落を歩いていても手掛かりに乏しく、本当にこの道でいいのか不安になる。

農作業に出ている人と行き会って、声をかけようか逡巡していると、向こうから「蒲原ならここまっすぐだよ」と声をかけてくれる。
ありがたい。
 
多少の坂道を越えると、山沿いに蒲原の宿場町が広がっている。

ここは地元が力を入れていて、街道を整備している。ここまでのナンバー1だと思う。

広重ポイントは雪景色だし、しかも津波にあっているらしいのであまり期待していなかったが、諏訪神社を過ぎて諏訪橋から振り返ったあたり、雰囲気があった。
8時。なかよし公園では家族連れが遊んでいる。

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9時半ごろ、油井の宿場町に着く。

油井の本陣跡は立派で、中は公園と東海道広重美術館になっていて、ここで少し休む。
関西弁の来訪者がそばに座る。

まったく美術館に立ち寄るつもりはなかったのだけれど、やっぱりここにもう一度来るとなるとなかなか難しいだろうと思い、少し立ち寄ることにする。

ここだけではなく、広重の絵の現物は損傷しやすいので常設で公開されていることがほとんどないらしいが、ここも複製と最近とみに多いデジタル展示で、「やっぱり」、であった。
「補助金で作りました」感は満載である。

でも東海道を歩く人は必ず一度は行ったほうがいい。
歴史や、あの絵がどのようにできるのかとか、あとミュージアムショップも充実していた。

私が一番好きな宿のカードを買う。

天気もいいし、昨日よりも気力は充実しているし、気分が良くなって子供を連れた女の人に写真を撮ってもらう。
これが今回、一回限りのお願い写真であった。

Kinen

10時過ぎ、油井を後に、ひそかな目的であった春埜製菓に寄ってみた。玉子餅だ。

店に入っても、誰も出てこない。
心が折れそうになったころ、ようやく奥さんが出てこられてひと箱いただく。
写真も撮らせていただく。

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どうも玉子が入っているわけではなく、玉子の形をしているから玉子餅のよう。
あんを上新粉で丸めた小ぶりの餅であった。
これで腹を膨らせ、いよいよ薩埵峠に向かう。

このあたり、どこの店も桜えびとしらす押しである。しかも結構な値段のよう。

なぜ、清水港が近いのに、新鮮な魚ではなくて桜エビとかしらすなんだろう。
細かい網の目に残ったものじゃないの?

昔、静岡みやげに実家に買ったが、自分は食べていないので違いがわからない。

あとで知人に聞くと、どうやらシーズンがあるようで、決して芳醇な海の幸のほとんどをお上に献上し、地元では桜エビとしらすしか残らなかったわけではない、というのはわかった。

小田原のかまぼこといい、そんなに市販のものと違うのだろうか。

蒲原からこっちでは「イルカのスマシ」というイルカの背びれや尾びれを塩漬けにした噛み切りにくい食べ物があるらしいが、なぜ背びれや尾びれなんだろう。本体はどうした。

油井の広重ポイントは薩埵峠なのだけれど、ポイントを見失くないため、峠に上る前から振り返り振り返りあの情景がないか探して歩く。

JR由比駅あたりから、いよいよ山道に入る。ここで振り返ると結構いい感じ。

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中国人観光客が結構いる。なんで?この辺、中国にどう紹介されているんだろう。

このあたりのお寺や神社はすごい急階段の上に設えてあり、まったくお参りしていこうという気が起こらない。でも若い女の子とかけっこう上っている。地元の人?何があるの?

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薩埵峠は東海道の難所の一つであり、三大峠の一つとされていたためビビッていたが、箱根に比べればハイキングコースである。

峠まで果樹園が続いていたし、ほぼ舗装道路だし。お天気もよく、11:30頃峠着。

うん。ここは広重ポイント。
せっかくなのでゆっくり休む。

休んで降りてきたところが広重ポイント。峠じゃねえのかよ…。

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 でもこのあたりで、一瞬、富士が顔を出した。

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ずっと降りてくると、不思議なことに街道は海側ではなく裏山側を回る。

どうしてこんな遠回りをするのか?あとで地図を見ると、土地改良碑がそこここに見られるから、どうも街道を整備した頃には現状の1号線とJRのあたりは浸食著しかったのかもしれない。

裏山道は畑でビニルハウスが広がり、強い日差しを遮るものが何もないので体力を相当消耗する。
しかもぐるっと山を回るのだが、細い路地で集落を抜けるので、道に迷う。

興津の広重ポイントである興津川の川越しの風景は、だいぶ手前から堤防に上がる必要があり、気がついた頃には遅かった。

12:40興津川橋付近でポイントとする。

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(時々写真の左上に指が入るのは、スマホケースが折れてしまったのを抑えています。お見苦しくてすみません)

これってなんという花だろう?

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しばらく歩き、海沿いの道にでたところで「味自慢 興津のたい焼き」屋がある。

プレハブのような建物だが若い人がやってる感じ。

ただ今日は鯛焼きはちょっと暑いかな…と思っているとチャリダーの人がシャッと自転車を止め、店に入っていく。おっ、ここは有名なのか?

腹も減っていたのでついて入ると、若夫婦がやっているお店でなんかクレープ屋のような佇まい。
とにかく一ついただく。

なんかネットで調べると、老舗が火事でこちらに移転されて営業されている様子。
みんなベタボメなんですが、すみません。
私はこの間平塚で食べた鳴海の鯛焼きのインパクトがまだ残っているところでした。

さらにもう少し歩くと、潮屋という菓子屋さん。
宮様まんじゅうという饅頭が有名なお店ということで、立ち寄ってみる。13:30。

奥さんがすごくいい人。私を見るなり、腕の日焼けの赤さに驚いていらっしゃったので、「東京から歩いてきました」と言ったが、どうも信じてもらえなかったようだった。
6日もかかるもんね。

宮様まんじゅうは今回、お菓子ナンバー1とさせていただく。

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お菓子は素材や技法だけではなく、食感、「食べやすさ」も大きな意味を持っていることがよくわかった。

食べやすく、それでいて飽きない。これって絶妙だ。

某地でおはぎを食べ歩いたことがあるが、大きさを売りにしている店があり食したところ、悪いけど大きいだけだった。
それでも歴史があり、駅前で商売をされている。

この饅頭の由来は、ある皇室の幼少の方が近くの清見寺に泊まられた時、食べやすいようにと小さく作り、酒の香りも控えめにして献上したことに由来するらしいが、まさにこれってこのお菓子のホスピタリティではないだろうか。あの店の奥さんのホスピタリティと同じだった。


おいしいこと、ぜいたくな材料や手間と技術や歴史を売りにするお菓子屋さんは多いけれど、このホスピタリティを大事にしてほしい。
それもお菓子、だと思う。

また何度も、そして次は家族と食べたいと思うお菓子だった。

さて、いよいよ街道は清水の街中にさしかかってくる。

江尻の広重ポイントだけれど、これは今回一番残念だった。

集落の向こうに港が見え、その向こうに松林が見え、そういう景色はもう清水で見ることは難しい。

これまでのポイントで私の勘違いとか、住宅街化したところでも、空や山や川の構図に、どこか面影があった。
でもここは構図すら難しかった。街道から海側は埋め立てられ、大きなコンビナートが犇いていた。
江尻は本当に残念だった。今回、唯一のロスト。

14:30頃、庵原川にかかる小さな橋から辛うじて海が見える場所を写しておいた。
ほんの僅かだが、遠くに松原が見える。

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さあ、今日は少し早いけれど予定の宿に到着しそうな勢いである。

その次の宿は静岡中心部なので、今日中に到着するのは無理がある。
清水の宿を行き過ごして行けるところまで距離を稼ぎ、戻ってきてもいい。

ただここで問題となるのが、「地図」の問題だ。
「地図」は東海道の東編しかもっておらず、見附宿までであった。
今回、見附は越えるとしたら、何とか西編をどこかで入手する必要がある。
いい加減な本だが、あの本以上に詳しい本はないのだ。

ここから見附までで一番大きな書店があるのは静岡中心部だ。
今日、変に前に進んでしまうと静岡の手前から明日始めることになるが、中心部を通るのは早い時間で、書店はまだ開いていない。

それぐらいのタイムロス…とも思うが、少しでも効率よくいきたい。

雨が降れば否が応にも調整せざるを得ない。
まず、清水中心部の書店にあたってみて、西編があればそれでよし。
前に進んで清水に(宿に)戻る。なければ…、一気に静岡に行って本を入手し、静岡に泊まって明日は清水から再開しよう。

街道近くの書店に2、3件入るが、やはり西編はなかった。

ネットから、静岡のジュンク堂に在庫があることはわかっていたので、15:22、清水駅からJRで静岡へ。
16時頃本を入手する。

清水に戻る始発は5:02なので、宿は5時前に出ることになる。ということは12時間前の17時少し前にチェックインすればいい。

あと1時間あるので少し休み、駅前で見つけた松屋でチーズハンバーグ定食を食べる。
最近、舌が松屋慣れしてしまって、あまりおいしく感じなかった。
16時台にこういうのをがっつり食べている人も少なかった。

16:50チェックイン。呉服町のど真ん中のビルの3階から7階が快活で、これは満室なんかあり得ないだろうと思い、清水より安心かな、と思っていた。実際ブースは問題なかったが、受付が5階でブースは3階、シャワーは6階でトイレとドリンクバーは4階か6階、エレベーターが遅いという不便さだった。


若い人は非常階段で上り下りしてたが、痛みマックスの足では、とてもじゃないが階段を上り下りしたくなかった。
1時間に2回ぐらいエレベーターに乗る羽目になった。

その分、ブースはこれまでで一番静かだったかもしれない。

6階ですぐにシャワーを浴びる。無料なので15分制限があったが、15分で洗濯物もすべて行って髪の毛まで乾かす。
だんだん上達してくる。

洗濯を干し、足指をケアして寛ぐ。
 
西編を読みながら、どこまで行けるのかを空想する。

清水から袋井までざっと70キロ。あと3日なら楽勝だろう。さて、どうやって帰るか。

新幹線なら、掛川か浜松。
浜松なら新幹線を使わなくても、在来線で4時間あれば京都まで帰れる。
しかも、終電は19:46なので最終日はフルに歩ける。


浜松まで90キロ。あと3日歩いて、連休は1日休養にあてる。
できるだろうか?

19時から23時まで爆睡する。

少し寒く、いろんなものを着倒す。こんなところで風邪なんか引いてられない。23時からルーティングと振り返り。

 

ここで驚愕の事実に気付く。明日は焼津まで歩き、焼津の宿に泊まる予定だった。これでだいたい距離も26キロだった。

…焼津って、旧東海道じゃないのか?!

ええっ!

じゃあ、どうすればいいのか。

宇津峠を越えて藤枝へ。藤枝で距離はいいが、山越えで、宿は六合までない。
六合の宿はシャワーもない。東横インの藤枝も満室である。困った。


5/2(木) 5:10-15:14 27.4キロ 47千歩

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2019年6月11日 (火)

2019年5月 1日 (水)

2019年5月 1日 (水) 静岡県富士市


ちょうど元号跨ぎの時間帯にふと受付票を見ると、「入店 22:00」となっている。

明日の始発は6時27分なので、6時10分にここを出ればいい。

うん?6時に出ないと8時間料金に延長がかかってしまうのか?

フロントに出て、22時の店員を捕まえる。やはり起算は22時からで、朝の10時10分からではない。

夕方店員がそういう説明をしたことを話すと、謝罪があり、10分はサービスするとのこと。
10分70円ぐらいのことなので目くじらを立てるつもりもないが、これからも泊まることになるのでシステムをちゃんと聞いておきたかった。
 
一段落した後、マメの様子を見る。

昨日潰したところは薄皮ができ、また溜まっている。
結局、歩くと一緒なのだ。

このまま3時頃までうとうとする。

3時ごろからまた音楽を聞き、ルーティング。
明日は三島から歩いて、ここに戻ってきてもいい。

いろいろあったが、ここは辻堂よりは居心地がいい。
何なら部屋はこのままにして、歩いてきてもいいぐらい。

しかしもう少し歩けるなら、富士市には青葉通りにも快活があるので、そっちにも行ってみたい。

いずれにせよ、富士市を出発して富士市に帰ってくる計画だ。

10分サービスすると言ってくれたものの、早くから身支度を整え、6時前にチェックアウト。

礼を言い、他のお客さんは12時間ルールをどうしているのか聞いてみる。

客によるようで、パックとの併用で逆算して再入店する客もいるし、半分で区切る客や、短時間で先に精算する客もいる様子。
12時間経つとやっぱり夜中でも声をかけるが、寝ている様子だとそこから10分毎にまた声をかけに行くらしい。

最初に対応してくれた店員も、この人も、あの外国人店員も、快活のシステムが複雑だっただけで、なかなか対応としては彼ら感じよかったあ。
今回ベストかもしれない。

靴ひもを一から結び直し、出発。
駅に着くとすでに外国人が3人ほど話しながら電車を待っている。休みなのだろう。

もう一人、旅人らしき人が英語で話しかけてくる。

「岳南江尾へはここから乗るのか」とのこと。単線でホームも一つしかないので、次の次の電車だよ、と教える。

この旅、数少ない触れ合いなので、岳南江尾に何しにいくのか聞いてみる。
私の英語が拙いせいか要領を得ず、登山か?と聞くと、まあそんなところ、という返事。
6:27に吉原行きにみんな乗り込むと、彼も一緒に乗り込んでくる。違う違う、次、と声をかける。

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吉原駅の連絡が良く、すぐに東海道線に乗り換える。南米系の女性が大きく足組みして座っていて、非常に車内を移動しにくい。

6:57三島着。
駅前のローソンを通りがかると、三島のローカルフードの認定コロッケ!とあるので入ってみるが、1個も置いていない。

あきらめて、おとといトイレを借りたファーストキッチンのモーニングに期待してみる。
しかし店が、というか交差点が見当たらない。

一昨日はかなり暗くなっていたので、交差点がもっと繁華な印象があったが、行き過ぎてしまっていた。

ファーストキッチン。ここも開店は10時から。
…市の中心部のファストフード店は、モーニングやってないのかよ。

ここでの朝食はあきらめて、二日ぶりに旧街道を歩きだす。

天気はまずまず。
腹が減っては戦ができないので、セブンで物色する。

しかし地元と違って、本当に品数がない。一口にセブンと言っても充実度は各地で異なるのだ。
 
胃痛はだいぶ良いが、ここは野菜と乳酸菌を取るべくシャキシャキレタスサンド(本当は野菜ミックスサンドが食べたかった)とヨーグルトシェイクを買う。


沼津の広重ポイントは川岸からなので、行き過ごさないよう、旧街道が川に沿うタイミングで堤防に上がったりする。
でも雰囲気が違う。天気はずいぶん良くなっている。

ここはヤマケイの地図では三園橋交差点あたりをポイントとしている。

三園橋を渡って東側を向くと、おお、なかなかいい感じ。

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帰宅して調べていたら、広重の絵には「三枚橋」が描かれている。

タイトルも「黄昏図」で夕陽が描かれている。ということは、これは西側を描いたもの。

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(ストリートビューから)

うーん、今一つ。
狩野川以外に往時を偲ぶものが何もない。
三枚橋が映っているわけでなし、両側の林もまったく残っていない。

東側の風景も十分魅力的だが、無粋なマンションが建っていて残念。

道は沼津市中心部に入る。
三島から歩き始めてほぼ2時間なので、8:50、川廊通りのマンションとマンションの間にあった広場で休憩。

足指はかなり痛いし、血豆もできているので、どこか薬局を見つけてマキロンとバンドエイドを買い込むことにする。

再び歩き始めると、このあたりは昨日の朝のコインランドリーのそばで、商店街と交差する。

またまたラブ・ライブが目に飛び込んでくるが、人は少ない。

このあたりは港町で、おいしいものがいっぱいありそう。

街道は海に沿った住宅街に入るが、どうも世間は新元号元日ということで、何かテレビでも式典を行っているので人通りが少ないのかも。

10:18クリエイト沼津大諏訪店がいい具合にあり、マキロンとバンドエイドを安価で購入。
ICOCAも使える。少し涼む。

セブンに寄ってトイレを借り、キットカットを探すがいちご味の袋入りしかない。
買う。

この海岸沿いの街道は長かった。日差しも強かった。

11時、三島神社境内で休憩。
休憩できるような場所はないが、遊具や切り株があるのでそこで休む。

老人会がゲートボールで盛り上がっている。
この人たちは平成も令和も関係ない。
若い人間はいったいどこへ。

さて、原の広重ポイントは富士がまともに描かれていて、今日のように富士があまり姿を現さないと特定が難しい。

原が近づくにつれソワソワする。

愛鷹山が富士の右に描かれているので、まだ進まないといけない。

街道は住宅街で、アパート越しに裾野が見える。
思わず、勝手にアパートの階段を登り、共用廊下から北側の風景を写真に収めてみる。

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11:47、原駅前に出たとき、そこから北側がジャストポイントだった。思わずスマホを落としてしまった。危ない危ない。

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13時にセブン‐イレブン 富士市中柏原店でトイレ休憩。
昼食は摂らず、アイスコーヒーを飲む。

東田子の浦を過ぎ、14時頃から雨が降り出してくる。

まだ2、3時間は歩くことになると思うので、このまま折り畳み傘で行くのか、それともポンチョに着替えるのか悩むところ。

雨は本降りになってきて、15時に新幹線とバイパスが交差する高架下で休憩。
雨が凌げる。
バリカーの骨組みに座るが、車の人はどう思ってたのだろう。

ちなみに、あとで地図を見て驚いたが、この高架を旧街道に折れずに200メートルそのまま進むと、昨日の今頃いたゆで太郎だった。

快活のそばの交差点名が「左富士」となっていて、富士市は結構どこでも左に富士が見えるところがあるんだなあ、ぐらいに思っていたが、今朝出発した場所に9時間近くかけて戻ってきたことになる。

後から思えば、この日もこの快活に止まってもよかったのかもしれない。

また歩き出して、左富士神社からは…左も右も工場。広重ポイントとしては非常に残念。

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もっと残念だったのは、北上した交差点に名残りの松があり、ここがむしろポイントらしいことだった。

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…富士が見えないから結局一緒だけどね。

しばらく進んで、岳南電車の「吉原本町」駅を越えると宿場町跡に商店街が伸びている。

伸びているが相変わらず閑散としている。

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アーケードがありがたい。

JRの吉原駅より相当離れているのに、なぜこんなところに宿場町が?
いや、逆に、宿場町から相当離れているのに、なぜあんなところに東海道線の吉原駅が?
静岡はここ以外にもそんなところがいくつかあったが、いろいろ背景があるようであった。

旧市街なのである。

宿場町を抜けるころに、吉原名物「つけナポリタン」の店があり、昼を食べていない私としては食指が動いたが、うーん、ちょっと勇気いるなあ。

沼津の喫茶店といい、なんか今回の旅にそういう出会いを求めていないことに気付く。

アーケードが終わるが雨は一向に止む気配がなく、折り畳みでも厳しくなる。
でももう少し。

朝の歩き開始はいちばん早くて5時なので、17時より早く宿には入りたくない(上限が12時間コースなので)。
まあ、朝遅れたら一緒なのだけれど。

地図を見ると、もう少しのところにかっぱ寿司がある!
ここで昼夜兼用で飯食って、時間調整して、雨宿りしよう。そう考えると気力が戻ってくる。

雨だと、傘をさしていることもあって、街道の両側にあるものがどうでもよくなってくるのでよくない。
ただただ歩くことだけが目的になってしまう。

ようやくかっぱ寿司があるはずの高島交差点に到着するが、ないとわかった時の落胆たらなかった。
今すぐ新幹線に乗って帰京しようかと思うほどだった。

足は痛いし、雨は降るし、まだ歩かなければならないし…。

周りをよく見ると、スシローがあった(何じゃそりゃ)。
気を取り直して一目散に歩く。
実はこの時、街道の東西南北を無視してしまったので、再び戻るときに迷ってしまうことになる。

16:16入店。祝日でも、16時台はまだ空いている。
はじめて知ったけれど、一人で入ってカウンターに座っても、隣の1席は空けてくれる。
なぜならオーダーのカラーは2席で1色となっているので、一人の人を詰めると、オーダーのすしの色分けができないからだ。
だから二人で行くと、すぐ隣に他人が詰めてくることにはなる。

16:44まで、のどぐろだの、トロだの、うなぎの蒲焼だの上級メニューを頼む。

たぶん私のミスだけど、えびアボカドが案内放送があったのに来なかった(たぶん、来た時には目の前だったのを疲れてて見逃した)ので店員に言うと、気持ちよくまた作って持ってきてくれた。
(見逃したのも、あとで一周回って戻ってきた)。

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7皿をおいしくいただき、退店するときに足元を見ると折り畳みを持ち込んだので水浸しにしてしまっていた。
店員に詫びながら出店。

あと15分もあれば今日の宿に到着できる算段だったが、店を出ると完全に東西南北が狂ってしまった。
疲れもあったと思うが、高島交差点で泣きそうになる。

全部山と渓谷社の本が悪い。この本、ページによって北の方向が異なるうえ、五差路にかっぱ寿司もなければ、川沿いに王将もない。

なんとか正常を保とうと、グーグルマップと旧街道GPSを頼りに(いずれも真上が北)ルートに戻り、また細い分岐に入ると夫婦連れに会う。
どうもこの雨の中、旧街道を行っておられるよう。

しばらく同じように歩き、私は宿に行くために総合庁舎北交差点で街道を外れると、お二人は急に不安になられたようだった。ごめんなさい。

17:20入店。
対応はあまりよくない。
伝票をもらうタイミングでシャワー(有料)に入りたい旨言うと、
「すぐに入ってくれ、30分で出てくれ」とのこと。

いったんブースに荷物置くぐらい案内してくれよ。
ジュース一杯ぐらい飲ませてくれよ。
こっちは雨の中一日歩いてきたんだぜ。

ブースの番号はわかっていたので、靴だけスリッパに履き替えて、荷物ごとシャワー室に転がりこむ。

腹が立ったので、足指の貼り替えも洗濯も全部30分でやってやることにする(笑)。

シャワー室のゴミ箱に今日のゴミや、剥がしたバンドエイドやらで山盛りにした挙句、エアサロまでしてやった(笑)。

本当にスッキリして、ミニッツメイドをガブ飲みし、ジーンズ以外に今日着たものをブースの中に干す。
カド部屋なので、隣に遠慮なく壁にかける。

今日のニュースを見ながら、足の指の大きいマメから水を抜き、全体を消毒、一本一本バンドエイドをしっかり巻く。

非常に寛ぐ。
今日はもう夕食も取っているし、エスプレッソとアイスクリームを食べながらネットを見たりしたあと、20:30から22時頃までウトウト眠る。


そのあと今日のまとめとルーティング。

5/1(水) 6:10-17:20 26.8キロ 46千歩

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2019年6月10日 (月)

2019年4月30日 (火)

2019年4月30日 (火) 静岡県沼津市

 

0時に起きて足を見ると、各指にマメができている。

特に親指、小指(第1祉、第5祉)はかなり大きいので潰すことにする。

薄暗い中、針を通すと大量のリンパ液が…。

下がマットの快活でなくてよかった。

えげつない。
小さいのはテーピングのみにしておく。

さて、明日どうするか。
天気予報どおり1日雨らしい。

かなり服も汚れたし、洗い替えもなくなってきた。
コインランドリーを探すと、三島よりも沼津のほうが駅近にあり、24時間やっている。
朝出て洗濯中に朝食を摂れば効率的。さて、それからどうしようか。

歩けそうな雨だったら、もちろん三島に戻って再開するが、途中で強くなることもある。
その場合はネカフェでゆっくりしたらいい。でも、ここはノーサンキューだ。

近い快活は沼津にあるが、バスを待ち、15分ほど揺られ、さらに10分ほど雨を歩く。
次に近い快活となると富士吉原までない。

富士吉原も駅からは10分ほど歩くことになるが、旅程は30分程度はあまり変わらない。
ただし、再開するときは最寄りが鉄道なので、朝早くからあり、時間も読める。

「バス停で待つ」ということに対する拒否感、だろうか。

2時ころトイレに行ったあと、3時から5時頃までまたうつらうつらする。

一応ここは12時間で頼んであったので、7時にチェックアウトする。

雨。結構降っている。

アーケードのある商店街を抜け、15分ぐらい歩いたところにコインランドリーがあった。

今時のコインランドリーは、洗剤自動投入で乾燥まで、という機械もある。
別々でやれば安くつくのかもしれないが、ここで時間を潰したり、何度もここに戻ってくるのは無理。

全自動は1200円だが、そんな小銭はない。
両替機ぐらいあるだろうとタカをくくっていたがない。

うまくできているもので、表に自販機がある。
お茶を買って(買わせて)小銭を作り、だいたい1時間20分後ぐらいに戻ればいい模様。

もう一度アーケードに戻る。

沼津はラブライブで町興しをしている様子。

8時前だからなのか、それとも寂れているのか、あまり開けていないが古くからある喫茶店などもある。
こういう店の居心地の良し悪しはギャンブル、入らないとわからないのでパス。

駅前に戻る。

昨日行ったモスに朝定食があるかと思ったが、どうもない模様。
昨晩に続き、2度がっかりさせられる。

タリーズもあるが、ミスドがある。甘いもの食べたい。
しかしモーニングはないのでまたパス。

結局沼津駅構内のドトールに入る。ここは駅構内が見渡せて広く、ゆっくりできそう。

ハム野菜サンド(ホット)とアイスアメリカンを飲むが、旨い。
完全分煙で、結構人が入ってくる。疲れからか、なぜか胃痛がするのでパンシロンを飲んでおく。

1日こんな天気のようだし、疲れもやや残っているので今日はネカフェで休養することに決定。

まったりしたあと店を出ると、ドンクのクロワッサンのいい匂いがする。
でも10時開店という罪なもの。

コインランドリーに戻るが、まだ洗濯物は仕上がっていない。
Gパン、ダンガリー1枚ずつ、Tシャツ、靴下、パンツ、タオル各2枚ずつだが、やっぱりGパンは乾きにくいのか。

ようやっと取り出すと、土汚れは落ちているが、何か色汚れのようなものは落ちていない。
後でわかったけれど、これはベルトが汗に触れて出た油(染色)のようであった。

9:32沼津を出て吉原へ。

岳南鉄道はICOCAが使えず、硬券を買う。

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硬券といい、車両といい、なかなかレトロ。
何より地元の足感がいい。

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10時前にジャトコ前に着く。雨は強い。

もう一度、空室状況を確認すると「空室あり」である。
(「なし」だったらどうするか、なんか考えていないが)

さらに10分ほど歩き、快活の入口でもう一度確認する。「あり」である。

10:10チェックイン。「ない」とのこと。

えーっ!今これ、見て!「いや、今お客様が見えたんですよ」とのこと。…。

だからと言って、引き返すこともできない。
とりあえず別の部屋で待ち、空いたら振り返ることで合意。

マッサージルームに行くと誰もおらず、これはこれでいいかも。
ジュース飲んで、さ、マッサージでもかけようか…と思ったら呼びにきた。

せめて、一回だけでもあの豪華なマッサージチェア使ってみたかった。
まあいいか。

こんな朝から、しかも、中心から少し外れたところのネカフェのフラットブースが満室なんてにわかには信じがたいが、人気の少ないネカフェなので早速シャワーに入る。

アイスを食べて寛ぐ。

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11:30から1時間ぐらい眠る。
ブースの真上でファンが回っていてうすら寒いのと、マッサージルームの機械の音が結構うるさい。

平成最後の日ということで、テレビは盛り上げようとしているがこれはつまらない。
家にいなくて本当によかった。

BSプレミアムでスタンド・バイ・ミーを15時まで少し見る。

雨はやや小やみになっているよう。
しかし歩き出す気は起らない。
部屋でルーティングをしこたまやる。

朝から胃痛があり、食欲はなかったが、16時頃になると少し昼夜兼用で何か食べておく気になる。
気分転換にもなる。

雨はほぼ降っておらず、国道沿いなのでお馴染みの店がたくさんある。
食欲が今一つなので麺類でもと思い、丸亀製麺にしようかとも思ったが、関西にはない「ゆで太郎」に決める。

そばは非常に美味しかった。
しかし非常に疲れていたんだろう、「もし自分が蕎麦アレルギーだったら?」とか考えてしまい、体が若干チカチカする感じ。

快活は12時間で一旦精算することになるので、夜の10時ごろに寝ていると起こされることになる。

せっかく眠りにつけたのにそれは嫌だと思い、フロントで外国人店員と相談。

だったら、12時間パックは9時間10分を超えるとそっちのほうが安いので、19:30頃一旦精算しておけばいいとのこと。
まああと2、3時間ぐらいならすぐだろう。

ところがこのあと、17:30から22時まで爆睡してしまう。
危ない。
まあどうせあと10分で起こしてくれるのだけれど、慌てて精算を申し出る。

その際、「では再入店ですね?」と女性店員に言われ、一瞬「?」と思ったが頷く。
これが元号を跨いでのウダになるとも知らずに。もう一度シャワーに入って寛ぐ。

4/30(火) 7-10 6.4キロ 11千歩

コインランドリーを往復し、ネカフェとゆで太郎に行っただけで1万歩を越えるなんて、スマホの万歩計はおかしいのかもしれない。

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2019年6月 9日 (日)

2019年4月29日 (月)

2019年4月29日 (月) 神奈川県藤沢市


2時頃までルーティングをして、あとは横になっている。

5時にチェックアウトし、5:17の始発で国府津に向かう。

5:45から歩き出し。

辻堂店は店員対応もあまり良くなく、清掃もされていないし、駅前で治安もよくなさそうだった。
比較対象が東戸塚店しかないけれど、広いので楽しみにしていた割に、箱根から下りてもう一度ここに戻ってくる気はなくなった。

実は、小田原にも快活はあるにはあるのだが、小田原線で30分ぐらい揺られ、駅から20分ぐらい歩いた泰野にある。
なら、同じように小田原から30分バックして駅前で規模の大きい辻堂店へ…というのが選択理由だった。

さて、せっかくフリーの朝食をパスしたのだから、朝はうまいものを食べたい。
昨晩パンだけだったので(アイスとジュースはしこたま摂ったけど)、食欲も回復している。

と、国府津駅でて間もなく、1号線沿いに吉野家が見える。
無性に食べたくなるのだけれど、、中は暗く、やってなさそう。

ま、そうだわな。
駅前やビジネス街と違い、誰がこんなところへ車飛ばして朝定食を5時台に…と思ってたらやっていた。
ハム玉子納豆定食を食す。満足。

6:56酒匂川。
朝食を摂ったとはいえ、国府津からここまで小一時間かかっている。

ということは、昨日無理して歩いても小田原にはたどり着けず、ここで日没になったということだ。よかった。


ここは広重ポイントだが、とても小田原城が見えるような状況ではない。
でもこのあとのルートを考えると、やはり東から来たらこの川で小田原市内が一望でき、城や、箱根や、場合によっては富士まで見えたのだろう。
と、思いをはせる。

4290656 Photo_9

 

川を渡って、裏道が蒲鉾通となっている。
開けている店は少ないが、朝早いのに観光客もちらほらいる。

昔東北で過ごしていた時、笹かまぼこの何がうまいんだ?とずっと思っていて、その後も「うまい蒲鉾」というのがよくわからない舌であることが判明している。

たぶん、旨いのだろう。でも高そう。再訪して味見してみたい。

8:09、小田原宿なりわい交流館。
2時間歩いたのでトイレ休憩したい。

でも営業時間は10時からなので交流できない。
裏が公園になっているので少し休む。休日の8時なので犬を散歩する人などが行き交う。

天気も良く、城下町をくねくねと曲がっていく。

結局城がバーンと見えることはなく、外堀のさらに外を周回して小田原を抜けることに。

高架を越えて、公衆トイレで用を足し、いよいよ箱根の山へ。

須雲川沿いに箱根登山鉄道を越えたり、戻ったりしながら入生田へ。

201904290855

いよいよ国道から別れ、山へ入るのだけれど、陸橋を越えなければならない。

久しぶりに階段を上がると、そういえば四月から左ひざが痛む。

今回すごく心配していたけれど、すでに50キロ以上を歩いていても大丈夫で、忘れていた。
不思議なことに、ここで思い出したが最後、今回最終日まで膝痛が起こることになる。

旧道は箱根湯本の温泉町の一本手前の道路を登っていく。

9:30、芦ノ湖までの最後のコンビニ、と地図ではなっているので、🍙とポカリと買い込み、少し休息をとる。

グーグルで芦ノ湖まで時間を計ったら「3時間」と出た。ま
あ3時間では行けないだろうが、だいたいここまで予定通り。

歩き始めたら箱根湯本郵便局があり、ふとお金を降ろす。

たぶん、不安だったんだろう。
あまり現金を持ってきておらず、ほとんどカードとICマネーで支払いができたもので(本当に今回ICマネーは使えた)、小銭や千円札がない。

山の中でもし急を要するようなことがあればキャッシュ、そんな連想かもしれない。

しばらく歩くと、ファミマがある(なんじゃそりゃ)。
5年前の地図なんてそんなものだ。

結構な急坂だが舗装されており、足の痛みも重心が後ろにかかるので、痛いつま先に負担がかからない。

このまま芦ノ湖まで行ければいいな、と思っていると、すぐに「旧道右」と鬱蒼とした森の中に誘われる。

舗装道は車を走らせるために傾斜を回避しなければならず、どうしてもウネウネと上ることになるのだが、旧道はそこを突っ切る形で走っている。
ある意味、最短コースなのかもしれない。
しかし地道で滑りやすく、人気も少ない。できるだけ早く抜けたい。

山道と舗装道を行きつ戻りつしながら、箱根大天狗山神社のところで迷い、そのまま県道を上がってしまう(なんか険しいなあ、とは思ったが)。

一旦神社境内地に入り、旧道がまた始まっているのだが、これはわかりにくい。
本を信じていいのか、案内を信じていいのか、自分を信じていいのか。

違和感がなかったらもっとロスしていたが、トウカイダーの中にはずっと国道を歩いている人もいる。
それはそれで感服するキツさがあると思う。

旧道も整備が進んでいて、このあたりから階段や石畳が現れてくる。
なんかかえってキツいような気もするが、テンポよく進んでいく。

畑宿で11:15なので、休息を取ることに。

旧道と須雲川自然探勝歩道が整備されていて、トイレについてはそこここにあって困ることはなかった(なんなら自然回帰してもいい)。
ただ、休むとなると森の中はちょっと怖い。

畑の集落に休めるような場所はなかったので、小さな神社の参道となっている石段に腰を掛け、少し早い昼食とする。

すると、上空に大きなトンビが旋回している。
これ、ひょっとして狙われてない?

都市部のトンビのみならず、箱根の山の中でもトンビの生態が変わりつつあるのだろうか。おっかない。

貴重な食料なので、あげるわけにはいかない。
トンビが大きく旋回して一瞬山影に入るタイミングで🍙を一口、背中の後ろに隠してまた一口、と食べた(気の小さい男)。

🍙はうまい。

ここからの登りはきつかった。
地図を見てもらえばわかるが、1号も県道もウネウネになっている。

女転がしの坂とか猿滑りの坂とか、いろんなのをひっくり返すような坂道が続く。
直接舗装道で上がるもの、階段で上がるもの、何度も繰り返して上がるもののまだまだ芦ノ湖には至らない。

甘酒茶屋付近で一瞬、道を見失いかける。私の前後を歩いていた青年と顔を見合わせるが、
「どれでも一緒でしょ、たぶん」とお互い言いながら最後の力を振り絞る。

地図ではもう間もなくなのだが、ここから本当長かった(キツかった)。

一旦上って、下りてくる石畳で、気持ちも焦ったのか、滑ってしまった。

これはヤバい!と思った。足を開く形、筋を伸ばす形でこけたので、場合によったらこの後の旅に影響が出るかも、と思った。
幸い、軽傷だったので、むしろこのあと慎重になることができた。

13:00、芦ノ湖元箱根港着。疲れた。

元箱根はごった返している。大渋滞である。

そりゃGWだもの。とにかく遊覧船のりばで休憩。

201904291301

ここはバスターミナルになっているが、ここもごった返している。

三島行きは一時間に一本ぐらいだけれど、大渋滞なのでいつ来るかわからないとのアナウンスが流れる。

困った。いつ来るか、だけではなくて、いつ下りれるか、もたぶんわからないのだろう。

さてどうするか。ともかく遊覧船のりばで靴を脱いで休む。

外国人観光客が多い。雨も降ってきている。
靴を脱いで周りに迷惑かけなかっただろうか。
次のアクションの術もなく、ただただ休憩する。
どうしよっか。

重い足、重い荷物でバス停にいつ来るかわからないバスを立って待つ、というのは考えられない。

しかたがない。
下りれるところまで、下りてみるか。

グーグルで三島まで4時間と出ている。
最速でも日没を迎えてしまう。
それに、途中で足が前に出ず、下りれないとなっても、途中のバス停はもっと時間が読めない。
今思えば無謀な選択だったと思う。

13:30、歩き出す。

セブンに立ち寄り、キットカットとホットコーヒー、アクエリアスを買い込む。
雨も降っていたのでコーヒーは本当に助かる。

足元の悪い松並木を通り過ぎ、13:51箱根の関所へ。
非常に立派な施設である。

201904291351

しかし歴史的な興味はなく、先を急ぎたい。

旧街道はここを抜けることになっているが、入場料が500円となっており、やむなく券売所に並ぶ。
しかし、通り抜けるならいらないとのこと。
これ、このまま資料館もすっと行けるんじゃね?
箱根に半日いるのなら回りたいコース。

30年ほど前、軽い気持ちで横浜から箱根に来たことがあった。
まさか芦ノ湖まで上がれると思っていなかったのに、登山鉄道に乗り、ロープウェイに乗り、最終の海賊船に飛び乗り、バスで下りてくるという綱渡りをやったが、30年経っても相変わらず駆け足だった。


また国道を歩いて稲荷神社まで行って振り返ると、ここはそう、あの広重ポイント。

4291400 Photo_10

しかしここで旧街道の案内が湖側を向いており、正直迷ってしまう。
写真を撮ることも忘れ、「いや、峠まで来たら本来の広重ポイントがあるかも」とルーティングを優先するが、これはあとあと後悔する。
(ので、写真はストリートビューから)

旧東海道サーチをすると、やはり湖側を指している。

しかたなく湖側へ折れるが、住宅の中を通り、旧道の趣きはまるでないので不安になる。
しかし後で地図を見ると、これまで登ってきた道と同じく、うねる国道のショートカットになっていた。

しばらく行くと、お馴染みの山道が待っていた。

歩き出して1時間、少し小雨が降る箱根峠。
失敗した。

201904291433

これはまったく広重ポイントではない。
さっき写真撮っておけばよかった。

後悔先に立たず、一気に疲れが出たので買っておいたキットカットを食べる。

復活。キットカット凄い。

201904291436

ここから本格的に下り。

静岡県に入ると、いきなり登山道が整備されている。

…あまり誉め言葉ではない。石畳である。
これが何キロも続くと、足への負担は大きい。

接地がその都度変わり、気が抜けない。
滑りやすい。
地元はずいぶんお金を出し合って整備しているのだけれど、みなさん完成後に上り下りしてみたのだろうか。

これがここから三島大社の手前まで、断続的に続いていく。

もし三島側から登っていたらどうだったろう?
石畳なので上りやすい、下りの神奈川県側の階段はきつい、となっていたのだろうか。

1530大枯木坂からしばらく下ると、芝生があるので休憩。

時折小雨が降るような状況なので誰も通らない。
バッグを背に横になる。

すると、いきなりトレッカーがトレーニングで走って下りてくる。びっくりした。

あまりゆっくりもしていられないので先へ進む。

16時ころ、山中城址を過ぎたあたりの風景が絶景だった。

201904291603 201904291604

後で調べると、伊豆あたりの山並みのようである。この辺は火山地帯だから、やはり富士も含めてダイナミック。

スカイガーデンという、日本一の吊橋施設が連休で賑わっている。

駐車場が隣接していて、その裏側を旧街道が走るが、まさかそこを私が通ってくるなどと思っていない若いやつが車を停めた後に立ちションをしてて、仲間が爆笑している。


このあたりから道は山道ではなく里に下りてきているので、神奈川の登りのほうが山道だったのだが、ここから先に地獄が待っていた。

いい加減、石(ころ)畳に疲れ、石畳と並行する農道を歩いたりする。
旧道忠実主義は投げ出す。

このあたりからの坂は、「坂」と言っても、上りの女転がし坂、猿滑坂とは違う坂。
同じなのかもしれないが、神奈川は階段があった。

静岡側の坂は里にあり、舗装された、車で上れるギリギリの急な下り坂が、だらだらと長く続いていく。
箱根を越えてきた足へのダメージは尋常ではない。

「こわめし坂」というのは背負っていた米が強飯になるような坂からのネーミングで、女やサルをひっくり返す、というのとは効果が異なるということになる。


もうこの時間なので上ってくる人はいないが、ご同輩を2人ぐらい見かける。
みなさん少し歩いては休み、足を回したりしながら歩き出している。

このあたり、足がたいがい限界なのに、先を急いでしまう性分が情けない。

16:50JAの坂支店(地名に「坂」がついている)を過ぎたあたりに石段があったので、しばし休憩。
さっき追い抜いてしまった同輩が少しずつ足を休めながら、私を尻目に進んでいく。

天気も良くないので、かなり暗くなってきた。市内を一望するが、まだまだかかりそう。

201904291650


塚原新田のあたりで雨がまた少し降り出す。

1号線に出るが、三島市中心部に向かう道は風情のある松林。
これが約1キロ近く続くのだが、なんと歩道はすべて石畳。
もういい加減にして欲しい。足首がバカになりそう。

暗く、雨も降っていて危険だが、車道に下りて傘を差し、歩く。
途中屋根のあるバス停で少し休み、また歩く。

やっと松林を抜け中心部に入るが、ここに来てもまだ愛宕坂だの、今井坂だのと下り坂が続く。

橋を二つ越えて、18:22三島大社。
広重ポイントはなかなかに幻想的。

4291822 Photo_11

門前の鰻屋の香りが食欲をそそる。
食欲はそそるが、腹が減らないのだ。
体は限界を超えている。

トイレに行きたいのもあり、三島大社にお参りするが、18時を回ってどこも開いていない。

境内は広い。こんなところに苦行が待っているとは。

またとぼとぼ大通りに戻る。

本町交差点に出ると、開店から間もない感じのファーストキッチンがある。
その脇にトイレがあるのでトイレを借りる。これで一段落。

朝6時前から歩き始め、12時間以上歩いてきたことになる。
さて、快活の沼津に行くなら、この交差点近くからバスに乗り、バスを降りて10分ほど歩くことになる。
ブースが空いている保証はない。これはとても考えるのがつらかった。

この周辺にネカフェはなく、物事を慎重に考えて、まずより繁華な沼津駅前のネカフェをあたってみよう。

それがダメなら周辺のホテル。
駅から離れることになるが、その時点でもう一度沼津の快活に行ってみる気力が復活しているなら、行ってみることにする。

それにしても駅までの道はつらかった。
1キロほどだが、信号一つ渡るのがつらかった。
途中、すみの坊本町店では行列ができていた(門前の系列)。

19時、三島駅。
沼津へ行こうと思うが、豊橋行きと熱海行き、どっちに乗ったら行けるんだろう。
疲れてわからない。
沼津駅前のホテルを検索しても空き室はない。

沼津駅もなかなかレトロ。昔、東京11:23発大垣行きで帰阪したことを思い出す。

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19:20頃、沼津駅前のネカフェに。

禁煙のフルフラット、と言うと満杯とのこと。

絶望著しく、店長らしき店員に「どうしたら…」と泣きつくと、今ひと部屋空く、とのこと。
思わず「よかったー」と声を発してしまう。

店長は、「今ひと部屋空く」と言っただけで、禁煙であるとも、フルフラットであるとも言っていない。

部屋は広かったが、靴を脱いで上がれるようにはなっていない。
長短の椅子が二つあるだけで、壁に寄せて落ちないように寝るしかない(後から調べるとペア席)。

201904291928

それにしてもタバコの臭いはひどく、3日ぐらいウィンドブレーカーから抜けなかった。

しかしもう他を当たる元気など残っていないのである。
とりあえず、助かった。

シャワーを…と言うと、21:30まで予約が入っているらしい。
すぐにでも横になりたいが、汗まみれ、雨まみれ、泥まみれなのでこれでは横になれない。

しかたなく、食事に出ることにする。

沼津駅前も、一人で食べるところはあるようでない。
歩きたくないので近場を探しても、隣のモスバーガーぐらい。

モスなあ…。昨日のように、食指は動かない。

近くにサイゼリアがあることが判明。
昨日のピザトーストに続き、食指が動かないときのイタ飯である(ピザトーストってイタ飯か?)。
結構人が多い人気店だ。20時入店。

メニューを見てびっくり、全品300~400円だ。
500円もだそうものなら、聞いたことのない、食べたことのない一品が提供される。

思わず店員に、「はじめてなのだけど、これって、量が少ないの?」と聞いてみる。
すると、「一品だけ頼まれる方もいらっしゃいます」とのこと。


迷ったが彩りガーデンサラダとアーリオ・オーリオを頼む。これで600円。コンビニ並みだ。

味は…。まずくはないが…。
ほとんどセルフに近く、こういったところでコストダウンを徹底的に図っているらしい。

ネカフェに戻り、2130までネットを確認。

さあ、やっとキレイにして寝れる、と定刻にフロントに行くと、前の人間が遅れているとのこと。
呼びに行くから…とのことなのでブースで待つ。
少し遅れて高校生バイトっぽいのが呼びに来る。頑張っていて、彼はなかなか対応はよかった。

箱根の汚れと疲れを落とし、部屋に戻る。

ダーツなんかで遊んでいた外国人が支払いで追加料金を言われ、不穏な感じになっている。

ここも飲み物はフリーだが、快活に比べ水増し感が強い。
隣のブースから、「大丈夫か?」と思うぐらい、異常に咳がひどい。
まあこっちには耳栓もあるし、何より疲れている。シャワーから帰るとバタンキューで0時頃まで爆睡。

4/29(月) 5:45-18:22 38.6キロ 64千歩

 

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2019年6月 8日 (土)

2019年4月28日 (日)

2019年4月28日 (日) 神奈川県横浜市

1日目で4ページ分も書いてしまった。
他の人からは何の興味もないことにこんなに費やしていいのだろうか。

6時、楽しみにしていた朝食食べ放題。

一枚一枚食パンがラップされているのは、冷凍されていたということなんだろうか?
トーストとポテトであり、これは旨くない。これなら日の出とともに出発したほうがいい。

6:30に腰に湿布を貼り、トイレを済まして出発する。朝の東戸塚は清新で、海外旅行の朝を思い出す。

保土ヶ谷に6:43に到着し、2日目開始。
しかたないけれど、宿からバックして再開する、というのも味気ないものだ。

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1号線から旧道に入ったところで少し催すが、トイレは見当たらず、少し遠くにドンキが見える。
どうしよう。

遠回りになっても済ましてくるか。少し悩むが、もう少し先でコンビニを探すことにする。

後で気付いたが、ドンキに行ったところで開店前であった(24時間営業だとばかり思っていた)。

ラッキーなことに、ほどなくセブンが見つかる。
セブンでトイレの借賃としてポカリスウェットを買うけど、これ飲んだらまたトイレに行きたくなる悪循環なんだよなあ。


権田坂を登ると、7:38頃、アパートの駐車場から雪をかぶった富士山が見える。
美しい。都内から見るよりも、ずいぶん大きく見える。

 

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しばらく小高い山(住宅街だけど)を行く。焼餅坂に焼餅は売っていなかった。


8:06に品野坂に到着する。ここでも富士が見える。

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ようやっと1時間半かけて、今朝出発した東戸塚に到着。早い。
びっくりしたことに、旧東海道は陸橋で環状2号を越える。


思えばネカフェ初体験は朝食以外大満足。
隣接するダーツコーナーは深夜まで結構うるさかったが、あの最低限のプライベートな空間の居心地良さは何なんだろう。

だんだん今日の目的が今夜のネカフェになりつつある。わくわくする。

歩きだして1時間半を越え、そろそろトイレ休憩をとりたいところだが、住宅街ではなかなかとりづらい。
汚いオッサンが靴下脱いでたら通報されかねない。
ルートから少し外れたところにある「天王山公園」なら、地図に公衆トイレマークがあったので、上り坂ながら上がってみる。

ダメだ、5年前の本は。
案の定、トイレがなくなっている。

うちの近所もそうだけれど、だんだん公衆トイレがなくなる。
管理コストもあるが、案外周辺からは不評で、浮浪者が居つく(オレ?)、臭う、危ないなど。

しかたなく、またトボトボ歩く。

住宅街を抜けて国道1号に出たので、どこかコンビニ前で休むことに。

8:45、ポーラ前ファミマ。
2日目にして結構暑い。
日陰に入って靴下を脱ぎ、15分ほどクールダウン。

再び歩き出すと間もなく戸塚駅が近づいてくる。

9:19広重ポイントの吉田大橋に。
うん、ここ、ここ。面影を残すものはないけれど、橋と道路の高低差と空のレイアウトで感動してしまう。

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Photo_5

戸塚駅から、何やら正装の女性と三々五々すれ違う。
今日は日曜日だし、GWだし、何だろう?
何となく就活っぽいけど、聞くわけにもいかないし(←ただの変人扱いされるがオチ)。

いずれにせよ、日曜朝の戸塚駅近くは人気も少なく、のんびりした朝。

本では戸塚大踏切を越えることになっているが、…5年前になくなっていました。

高架橋で越えて、大通りへ。しばらく国道1号沿いを行くことになる。

緩い上り坂を上がっていったところで、そろそろまた1時間半が経つ。

10:38吹上交差点近くのマンション前に、小さなベンチがあるので靴下を脱いで11時近くまで横になる。
すごく寛ぐ。
マンションの人はどう思っていたんだろう。

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国道1号は渋滞している。

マンションの前のベンチで休憩はできたものの、トイレには行っておかないといけないので少し歩き、ファミマでトイレを借りる。

借賃としてガーナチョコを買うが、食べにくい。
これって一気に食べてしまわないと、溶けてしまってベトベトになるのでは?


イオンウォーターも買う。
相変わらず1号線は大渋滞している。

ようやく、遊行寺近くまで来るがここに来て小さい旧道の明示。
これがわからない。
再び東海道サーチを確認し、なんとか遊行寺橋に出るが、広重ポイントはもっと視点が高いのでは?バックして遊行寺の参道の坂道を登ってみる。


12:22、おお、こんな感じ。
参道の先に遊行寺橋が見える。
都市化した藤沢の町がもし昔だったら、海のほうまで見渡せたのかも。

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参道の木から桜の花びらのようなものが舞って、なかなか趣深い。
もう少し疲れてなければ、この坂を登って遊行寺を参るべきだった。いい感じのお寺だった。

足を引きずりながら小田急の藤沢本町駅へ。

膝栗毛では藤沢から平塚まで、小田原への戻り駕籠を使っているので、私も「駕籠」を使わせてもらうことに。

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今日の日程としては、1日目の疲れの残り具合を見て、何なら藤沢上がりでもいいと思っていた(20キロ弱と短いが)。

週の真ん中あたりが雨の予報で、しかも箱根あたりにぶつかりそうだったので、いずれにせよ調整は必要だった。
しかしこの時点で12:46なので、まだ半日もあるし、小田原までは無理だと思うけれども、大磯から国府津あたりをターゲットに歩くことにした。

「朝食タダ」につられて少し多めに食べたこともあるが、体が疲労すると食欲が落ちることが今回わかった。

食欲が落ちる、と言いながらも、朝からイオン飲料を二瓶飲んでるし、チョコレートをさっき食べたのもあったし、やっぱり先を急いでいる。


13:20に平塚に到着したころには、だいぶ体力も回復していた。

駅前はお土産物屋やファーストフード店も多くて、体力回復とともに食欲も少し回復したのかもしれない。

鯛焼きがすごくおいしそうだったので、つい一つ買ってしまう。外側はクリスピー、そしてあんこぎっしり、しかもあんこをいったん薄皮の餅でくるんで小麦粉を付けて一匹ずつ焼いたもので絶品。

これは平塚の銘菓か⁉とネットで調べると大阪が本社だとか。

三条にもあるじゃん。

201904281341

神奈川もこのあたりまでくるとすごく鄙びている。

駅前を過ぎると人影も少なく、街道筋に古い菓子屋も多い(開けているのかどうかわからないけど)。

どんどんどんどん鄙びているが、道路を挟んで反対側の歩道を私と同調して歩く人がいる。

ちょっと変わった感じの人(私もそう思われていた可能性が高いが)で20分ぐらい道路を挟んで歩く。

トウカイダーだろうか?

14:12、広重ポイントがやってくる。
これもなかなかに衝撃的だった。

残念ながら横浜トヨペットが邪魔するけれど、花水橋、花水川、そして高麗山(こまやま)のシルエットはこの旧街道が1号線と交わる辺りがたいへんいい。

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このあたりでさっきの方とはぐれ、花水橋を渡る。
この善福寺というお寺はなかなかに趣のあるお寺で、疲れたからだに染み入る言葉が掲げてある。

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14:34、平塚から早々に大磯の広重ポイント。広重の絵は雨で結構幻想的な感じだが、ここはそうでもなかった。

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道に迷いそうになったので地図を見ると、「地下道で渡る」と書いてある。
早く言ってくれ。


疲れと暑さでだいぶバテてきたけれど、1時間以上休むところもなく、海岸通りに出る。

15:10街道が曲がるところで、古色蒼然の菓子屋を発見。
一度覗いて、行き過ごし、またやっぱり戻ってきて入店する。
新杵屋。店内も古色蒼然。薯蕷の虎子饅頭はもう売り切れ。
焼き饅頭の西行饅頭を2つ買う。

201904281510

遅い昼めしはこんな形で進んでいく。
私のようなバカ舌には、デリケートな差異を感じることはできませんでした。
申し訳ないが、鳴海の鯛焼きのインパクトのほうが大きかった。

鴫立沢あたりで海を見ながら靴下を脱ぎ、饅頭を食べる…というような休憩に憧れていたが、どうも鴫立沢ってそういうところではなさそう。

コンビニもない。ひたすらトボトボと西へ歩く。

15:47、旧吉田茂邸前でやっとベンチ発見。
1号線に面していて、城山公園に遊びにきていた人たちがバス停から見ている。
不審者、不審者。
それにしても疲れた。

疲れもあったのだろうが、ちょうどこの休憩場所が旧街道の分岐点だった。
しばらく気付かず、坂を下りてしまった。もう、坂を登って戻る気はおきない。

さて、もう16時を回ってしまったが微妙な時間だ。
あと2時間でどこまで行けるだろう。
二宮までは行けるとして、国府津までそこから1時間。小田原にはもう1時間だが、休憩を挟みながらいくと無理か。

16:12、大磯ロングビーチそばを通る。
ロングビーチのおかげでずいぶん有名だけれど、大磯は「町」だかんね。
本当に茅ヶ崎とかに比べると、平塚とはまた違う意味で相当鄙びている。

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二宮駅でトイレを借りる。
17時「にしけん」という食堂からいい香り。赤魚煮付2,200円とのこと。微妙。
魚好きの人ならたまらないが、店は17時からなのに「準備中」がかかっている。
ここで食事をするということは、中途半端に暗いところを歩くことに…と思うとネガティブ要因ばっかりで、パス。


ここの目と鼻の先のところ、西湘動物病院横に公園があった(越地南子どもの広場というらしい)。

ああ、休める。靴下を脱いでいると、隣接する住宅の人がガラガラと雨戸を閉める。
うーん、どこにでも人の目はあるなあ。

ゆっくりとも休めず、また歩き始める。
すると、右足の親指に違和感が。なんかグニュっとしたものを踏んでいる感覚。

やばい、ひょっとして…と慌てて路肩に寄り、コンクリートブロックで体を支えながら靴下を脱ぐと、やっぱりマメができている。
すぐにバンドエイドでテーピング。

これを座らずに、ブロックで体を支えていると、ブロックの向こう側で職人さんが仕事をしていて、お互い目が合うという奇妙なことがあった。

201904281547

 

しばらく歩くと、いろんな標語が目に入ってくる。

「ちょっと待て 声をかけるな 前羽の子」

「ちょっと待て その分別は 正しいか(だったかな?)」

前羽学区は「ちょっと待て」シリーズが流行っていた。

 

疲れもかなりあったが、17:33西前川でこの旅はじめて海に出る。うれしい。

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しかし暗くなってきた。不覚にも国府津駅を少し行き過ぎてバック。今日はここで終わり。

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辻堂の宿(ネカフェ)まで快速アクティに乗る。茅ヶ崎駅に着いた時、「次は藤沢に停まります」というアナウンスだけが聴こえる。えっ、辻堂停まんないの?ドアが閉まる寸前に飛び降りると、「希望の轍」が軽やかに流れる。

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辻堂に着いたけれどナイトパックには少し早い。
食事を取ろうと思うが足が痛くて歩きたくない。

テラスモール湘南に入ってみるがどうやらマックぐらいしかない模様。
南口になか卯があるようなので、重い足を引きずり引きずり南口へ。

しかし食指が動くようなメニューはなかった。
疲れてしまって食欲もない、というのが大きかったのかも。

しかたなく踵を返すと、閉店間際のリトルマーメイドのショーウィンドウが少し魅力的に見えたので、ピザトーストとドーナッツを買ってバス停のベンチで食べる。侘しい。

19:11入店。
今日は奥の部屋。

辻堂店はシャワー無料でその代わり15分。ブースに金庫はない。同じ快活でもずいぶん違う。

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すぐにシャワーを浴び、部屋で痛い腰や足にエアーサロンパスをかける。
これは大失敗。
天井が開いているといってもブースの気密性は意外に高く、狭いものだからえらいことになってしまった。

しばらく部屋に入れないぐらいで咳き込み、回りのブースにも騒ぎになるのでは、と思ってしまった。


それにしても、やっぱりシャワーを浴びて汗を流し、アイスを食べると寛ぐ。
しばらくPCの後、21時から爆睡してしまう。
昨日は机下に潜り込み、耳栓アイマスクであんまり寝られなかったのが、知らない間にライトの下に出てきて寝ている。

3時間ぐらい爆睡して、0時頃から明日のルーティング。

いよいよ箱根越えだけれど、どうするか。
要はどこでギブアップするかだ。

芦ノ湖より手前なら、バスで小田原に下りてきてここに戻る。
でも明日のことだけではなくて、明後日のことを考えると、できるだけ箱根寄りの方がいい。
辻堂と沼津なら沼津のほうがいいが、どうだろう。

芦ノ湖より向こうなら、バスで三島に下りて沼津の快活に。
しかし沼津の快活は中心部から離れており、しかも今夜も満室だった。


三島からバスに乗り、徒歩でまた歩き、それで満室だったら、どうしたらいいかわからない。
やはり沼津駅周辺で探すか。

ともかく、無理はしないでおこう。先は長い。
芦ノ湖でバスで静岡側に下り、また翌日はバスで上がって芦ノ湖から始めればいい。
雨の予報もあることだし。

ネットには一日で小田原から三島や沼津、あるいはその逆を敢行した人のブログが載っている。
相当きつい様子だ。こればっかりは行かないとわからない。

今回、昨日からだけれど、ダイアー・ストレイツの「かつて西部で」とか「ローカルヒーロー」が頭に流れる。

今日の振り返りや明日のルーティングをする時、ずっとYou Tubeでダイアー・ストレイツやピンク・フロイド、あいみょんやフジ・ファブリックとか、そういうのをずっとかけている。

4/28(日) 6:45-18:06 31.7キロ 54千歩

 

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2019年6月 7日 (金)

2019年4月27日(土)

2019年4月27日(土) 車中泊


8時過ぎに鍛冶橋着。トイレを済ませ、トイレのために辛抱していた水分補給をコンビニで行う。500mlのポカリを一気飲み。


柳通りを北へ北へ。
ここは出発点の西橋を通らず、一本西の西河岸橋を渡る。
橋のたもとは周辺の喫煙エリアになっていて、土曜日の朝からいるいる喫煙者。この人たちは夜勤明けなのか、それともこれから仕事なのか。

 

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ぐるっと回って、スタートラインの日本橋。
すでに3人ほどのチャリダーが、ここを集合場所に集まっている。気が引き締まる。

8:30スタート。今回、楽しみにしていたのは広重の浮世絵ポイント。

日本橋は、多くは北側から撮影されているが、広重の絵は行列がこちらに向かってきている 。もしも出発の地として描いたなら、北から南へ進んでいるはずで、南からの絵じゃないかと。

朝から渋滞している。

 

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歩きはじめて、ここから品川を過ぎるまではまったく東海道の面影などないだろうと思っていたが、店の名前を見ているとなかなか面白い。

「松屋」「三越」「丸善」「薮伊豆」…こういった屋号は200年前からあったかどうかはわからないけれど、古の縁を感じる。例えビルになっていたとしても。


銀座も宝飾店が集まっているが、これも当たり前なんだな、だって「銀」座なんだから。その中心地が今はハリー・ウィンストンになっているというのも象徴的だ。

8:45、出発から15分で休憩。というか腹が減ってしかたないので、銀座2丁目のウィンズ横のマックにイン。
銀座でもウィンズ横はウィンズ横の客層。

パンケーキが400円ぐらいで食えるかと思っていたが、エラ高いのでビックリ。
インド人店員の応対が雑で、ソーセージマフィンを頼んだけどあとからエッグマフィンでもよかったと後悔する。
外国人観光客も多く(日本に来てまでマックに入らなくても良さそうなものだが)、食っている私に旅行カバンが当たって恐縮される。


マックを出たところで、浮浪者が道で寝ている。銀座のビジネスマンとウィンズへ向かう客は何気に回避して歩いていくのがシュール。

東海道も新橋を過ぎると急に人が少なくなる。そしてなぜか周辺が野暮ったくなる。
このあたり、昔ビルがない時代には右側に小高い愛宕山が見えたんだろうな、と想像する(ビルの谷間から少し見える)。


金杉橋でトイレ休憩。少し足を休める。
歩き出すと田町駅に出るが、駅前に都営三田線の三田駅があり、驚く。
永らく東京にもいたが、田町=三田とは知らなかった。
野暮ったいという言い方は失礼だけれど、開発が遅れている感じが新橋からずっと続く。


このあたりの直線コースは、日本橋方面に向かって歩く人がたくさんいた。
大木戸あたりでは仲の良さそうなカップルを抜いたり、抜かれたりする。
こんな東京のど真ん中で、人気の少ない大通りでカップルで歩くのものなかなかいいなあ。

11:00、品川到着。

さて、広重ポイントは…、これだけ都市化が進んだら面影すらないだろうと思ったけれど、あまりの人の多さに歩道橋に上ってみると、そこから南に向いた風景は、「ここだ!」と思った(わからない?)。

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休憩も兼ねて商業施設へ。
東京の駅前は洗練されているが、やっぱり新橋から品川まではイナたい。
「商業施設」としか呼べない。

まだ2時間半しか歩いていないがだいぶヘトヘト。
ここまで7キロで13千歩歩いているが、毎週近所を歩く7キロは8千歩ぐらいなので、なぜ歩数が増えているのかわからない。

LINEで息子曰く、「歩幅が狭い?」とか言われたが、心当たりはない。

トイレも済まし、歩きを再開する。

駅前の横断歩道で、向こうから来た女性に思いっきり足を踏まれる。
「痛い!」と声が出るほどで、向こうも踏んだことを意識していたが、「すみません」の一言すらない。
他人に足を踏まれたことがないのだろうか?

…それにしても痛い。右足の甲の部分を体重で踏まれた。
これから長距離歩くのに、大丈夫かと思えた。

つらい気持ちで歩いていると、そろそろ腹も減ってくる(さっき食べたところ?)。
京急の高架下はラーメンやカレーの食堂街となっていて、食指が動く。あー、ラーメン食べたい。

八ツ山橋から北品川商店街に入るのだけれど、事前のルーティングで不安だった箇所で、案の定間違えてしまう。
わかりにくい。
ここから本格的に旧街道の趣となってくる。

いよいよ本格的に腹が減ってきて、うなぎの匂いが強烈に誘い、来た道を戻ってしまう(たぶん「うな泉」だと思う)。
しかし、このあたりが初日あるあるで、ついつい距離を稼ぎたい気持ちになって先を急ぐ。

なかなかいい商店街で、ところどころトイレ休憩しながら行く。
「やまのて青果」という魅力的な八百屋もある。

南品川のセブンで食べたい物を物色するが置いておらず、いつものパンケーキとタマゴサンドと野菜ジュースを買って歩きながら食べる。
このあたりも距離を稼ぐモード。

さすがに休憩を取りながらとは言え、4時間歩くとだいぶ疲れている。

トイレ休憩を兼ねて品川区民公園に入っていく。少年野球のそばで休もうかと思ったが、ちょうどいい具合にテニスコートそばの屋根付きベンチが横になれる。

少し雲行きは怪しくなってくる。

12:45から13:10頃まで靴下も脱いで目を瞑る。

…13時からコートを借りている奥様方、13時までの方がベンチを使って時間調整しており、今一つ落ち着かないが、ああ、いよいよ東海道歩きを始めたんだな、という実感も湧いてくる。

まだ今の時間でも13時で、日没まで5~6時間ある。

場所は大森も近いので、当初予定の川崎は通過できそう。

ネカフェの混雑状況を見るとすでに満席である。

よし、川崎から神奈川までは電車を使うつもりだから、その次の宿場の保土ヶ谷まで行ってみようと決める。

再び歩き出して鈴が森の刑場跡あたりから、傘が必要な雨となってくる。
一旦国道に出て再び街道筋に戻ると、さすが大森、海苔問屋が今でも軒を連ねている。おいしいのかな?

初日から雨も強くなり、疲れも累積してきたのでどこかで休息したい。

大田区体育館の地下でトイレを借りるも、不審者扱いだった(人気もなかったしね)。
10連休とはいえ、土曜日の午後に体育館に人がいないの?

トイレのみで休息できなかったので、もう少し進んで大田区産業プラザに入る。
なんか催しもあるみたいで、体育館より賑わっている。ここで15時頃。

さあ、いよいよ六郷の渡しで、多摩川の畔には渡しの碑があるはず…ない?何か勘違いしたのだろうか。
気を取り直して六郷橋を渡る。

これからずっとそうなるのだが、広重ポイントはあらかじめよく確認しておく必要がある。
さもないともう一度戻ったり、ずいぶん大きなロスがあったりするからである。

川崎は、この橋から対岸を見た絵になっており、雨が降っていることもあって叙情的な感じが一致する。
そして4年前の悲劇を思い起こして、思わずここで合掌する。

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六郷橋は結構長いが、自転車で割に多くの野球少年が川崎側に帰っていく。


川崎の少年たちが橋を渡って、多摩川北側の河川敷で野球をしている模様。

川崎に渡ってまた旧街道に入る。

旧街道として整備されているが、北品川商店街などと違い、今は都市化したところを無理くり旧街道整備したような感じになっている。

雨が上がって折り畳みをバッグにぶら下げて歩くが、すぐに落ちてしまう。


川崎は30年ぶりぐらいになるだろうか。

もっと大きな街だった記憶があったが、一本東に逸れるとそうでもないな、って感じ。

京急川崎駅近くを通るが、本当に川崎?と思った。因みに宿泊予定だった快活CLUB川崎店は相変わらず満室状態。

膝栗毛では、川崎のはずれから神奈川宿の入り口まで馬を使っているので、私も「馬」を使わせてもらうことにした。京急のこと。

この旅、基本的に舟、渡し、馬、駕籠を使ったところは歩くつもりはない。走破が目的、でもない。

膝栗毛に描写がないのには、そもそもそれなりに理由があると思っている。

京都から大阪まで歩いた時に、橋本、枚方、守口、高麗橋までの間、あまり見るところはなかった。
だって街道はあるものの、昔はほとんど伏見から天満まで舟で行ったはず。

…描写がないところは、何もなかったのでは?実際にこの区間も地図で見ると埋立地だし。

足はもうだいぶ限界。

八丁畷から仲木戸まで乗ろうと思っていたが、待てよ、神奈川宿の入口との記述がある。
走破が目的ではないなどと言いながら、ここは大事を取って一つ手前の神奈川新町にする。

が、結果的には仲木戸でも、何なら神奈川でも良かったのである。

キリンビール横浜工場から神奈川までは、最後、宮前商店街にやや趣を残すだけで、ほぼ第一京浜を歩くのみなのだから。

もとい、15時45分頃に神奈川新町につき、ベンチで裸足になって休憩。マメはまだ出来ていなかった。

京急の普通は通過待ちが長く、多少恥ずかしかったが通過待ちの皆さんに見られながら20分ほど休んでまた歩き出す。

すでに書いたとおり、ただ第一京阪を歩くだけなのだが、駅周辺には本当に旧街道らしい細道がなく、迷った。

いや第一京浜を歩くのは簡単なことなのだけれど、見落としていないだろうかと焦るトウカイダーあるあるではある。

宮前商店街を登り、JRを越えてそろそろ広重ポイント。

台町は、なんとなくわかった!

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これから先、ゆるゆると坂道が続いていく。

が、もう一度、環状1号に合流する西口ランプ入口のところでまた迷う。

「こんな太い道を歩くはずがない」とすぐに思うようになった貴方は、初日からトウカイダー。

日は傾いてくるわ、道はわからないわ、ロスしたくないわ、疲れてくるわ、多少気持ちは焦る。
スマホから旧東海道サーチをするとどうやらこれで良くて、本のおかしな表記は「古東海道」らしい。

紛らわしいなあ。

しばらく住宅街を歩いていくと行き止まり。家の前の植栽をいじっている老人に道を尋ねる。
浅間神社ってどこですか?という聞き方で正解。本もちゃんと書いとけよ。

雨上がりの夕焼けは綺麗だった。

しばらく歩くと、「松原商店街」が賑わっている。不思議。シャッター商店街が多い中、たくさんの地元の人がいて、しかもここは横浜。なんか昔の祭り、あるいは学園祭の夕暮れみたいな雰囲気がすごくいい。また来たい。

さ、そろそろ保土ヶ谷の広重ポイントが近いけれど、帷子川にかかる帷子橋は今はなく、保土ヶ谷駅前に移設されているらしい。
まあ、どこかわからないけれど…と思いつつ、細い川を渡る。

その瞬間、「あれ?」と思う。

しばらく天王町の駅前まで歩き、客引きのオネイサンたちを横切るが、これはそのまま行き過ぎてよいものだろうか?
だって今はない橋なのだから、何かを感じたところで意味はないはず。

念のため、天王橋から帷子川を横切って戻ると、ここではない。
やっぱり、さっきの旧街道にかかる橋だ。

あの手前からの風景。写真に残すと夕日が眩しい。

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17:44、今日はこれで終わりにする。

保土ヶ谷駅から18:14発の湘南新宿ラインに乗り、今日の宿東戸塚へ。
明日の道程を車窓から追うが、これは遠い。無理して歩かなくてよかった。しかも山だらけじゃないか。

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はじめてのネカフェにはやる気持ちを抑えつつ、腹ごしらえのためにネットで駅前を検索。
もう一歩も歩きたくないが、松のやがあるじゃないか。

ロースカツ定食を食べる。旨い。かつ善の半額でこの味なら、大満足。ソースが旨い。

18:48、チェックイン。
はじめてなので、説明を受ける。店員さんは嫌な顔一つせず、説明してくれる。

部屋はどの部屋がいいか聞いてくれたので、「できるだけ静かなところを」と伝えると、「実際にはどうかわかりませんが、ドリンクバーから少し離れたところのほうがいいかもわかりません」との答え。非常に好感が持てた。


なお、こういったことを毎回聞いてくれるのかと思ったら、以降は一切ありませんでした。

フラットブースは快適快適。
クッションが良く、パソコン画面も大きい。

早速有料のシャワーを30分利用(30分も使っていないが)して疲れを取る。
あとはドリンクバーでソフトクリームを食べ、快適快適。

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一つ困ったのは、画面が眩しすぎること。

店員さんにディスプレイの電源を教えてもらい、ツイッターを確認したあと寝る。
結構騒々しいが、耳栓をすれば眠れる。

20:30から23:30まで寝たあと、またネットで明日のルート確認。

さすがにこの時間帯はダーツ客も帰り、だいぶ静か。

まったく予定していなかったが、せっかくこの感動を何かにまとめておきたい衝動に駆られる。
かといって筆記用具は持ってきていないし、書き留めるパワーもない。

すぐに、ネットを使って画期的な方法を思いつく。
今日のまとめを送信して、再び2時頃から横になるが、うつらうつらであった。

4/27(土) 8:30-17:44 26.2キロ 45千歩

 

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2019年6月 6日 (木)

発端

A long time ago in a galaxy far, far away.... 

 

50年前。

 

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さらに、

 

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50年後。2019年4月27日(土)から。

 

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