Carry that “Carry That Weight”
毎年夏に、アビィ・ロードに関することを書いている。
ほぼ1年に1回の更新ブログだが、今年はいろいろ事情があったので10月末まで書くことはできなかった。
木曜の夜になって、いきなり「名古屋ドーム、機材席開放!」というツイートが流れてきた。
ふーん、なのだが、心にひっかかりがある。
というより“Carry That Weight”なのである。
初来日の90年。実は世間はストーンズの初来日で盛り上がっていた(笑)。
かくいう私も、ポールの初来日とストーンズの初来日、天秤にかけていた。
ポールが“Golden Slumbers〜Carry That Weight〜The End”を演奏していると知ったのはいつごろだっただろう。
当時はネットもなかったが、たぶん、89年のツアーの速報をロッキン・オンなんかで読んで知っていたに違いない。
でもその時点ではまだ来日も決定していなかったはず。
一方、ほぼ解散状態だったストーンズはスティール・ホイールズで目の覚めるようなカムバックを果たして、あっと驚くような全米ツアーを開始していた。
タッグ・オブ・ウォー以降の活動に関心を失っていたポールに対して、ストーンズの再始動、初来日には、自分が生きている“意味”がそこにあった(なんと大層な…)。
東京から2時間ほど離れた地方都市に当時住んでいて、2月に2度ストーンズを見た後、年度末の3月にもう一度上京させてほしい、とは言いだしにくかった。
でも本当はすごく後悔をした。
3年後、初めてポールを福岡で見ることができた。人生でベスト5に入る素晴らしいライブだった。
しかし、ラストは“Hey Jude”だった。
9年後、地元関西でポールを見ることができた。セットリストには“You Never Give Me Your Money”“Carry That Weight”“The End”があった。
しかし、“Golden Slumbers〜Carry That Weight〜The End”ではなかった。
11年後、また地元にポールが来たが、家族を持ってから高額のライブからはかなり遠ざかっており、食指は動かなかった。
エンディングは“Golden Slumbers〜Carry That Weight〜The End”だった。
これではいけない。なんのためにアビィ・ロードを聴き続けているのか?(なんのため?)
反省した私に、すぐに飛び込んだのがその翌年の来日だった。
チケットを押さえた。アリーナだった。
セット・リストは“Golden Slumbers〜Carry That Weight〜The End”だったが、これはポールのほうからキャンセルされた。
翌年、そしてその2年後にもポールは来日した。いずれもエンディングは“Golden Slumbers〜Carry That Weight〜The End”だったが、東京のみだった。この目的のために、一日仕事を空けて上京はできないか。
今回、やはりセットリストは“Golden Slumbers〜Carry That Weight〜The End”だった。
振り返れば、ポールの単独公演で、“Golden Slumbers〜Carry That Weight〜The End”を“やらなかった”ツアーだけを私は見ていることになる(これはこれで貴重かも…)。
が、今回も関西での公演はなかった。
これでこれまで通り諦めもつくし、チケットも名古屋からすぐ売り切れていった。
で、冒頭の情報だ。
今度こそ、ポールの“Golden Slumbers〜Carry That Weight〜The End”を体験できる最後のチャンスになると思う(そう思いながら3、4回来日してるが)。
名古屋なら、4時頃会社を抜ければ間に合うし、その日のうちに帰ってくることもできる。…なんてね。
各ツアーでのプレイの状況は映像や音源で確認している。私に不足しているのは“体験”だけである。きっと2002年のライブの時のように、さほどの感慨も得られず、90年のポールと違って音程がふらつく“Golden Slumbers”を豆粒ほどのポールしか見えない、周囲が大合唱している空間で聴いても、私が得ようとしている体験は得られないはず…
…それでもいいのだ。あと7時間、チケットはあるだろう。
どうしよう。
木曜日から何度もぴあを覗き、クレジットカード情報を入力するところで逡巡している私…。
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