アビィ・ロードの夏再び
アビィ・ロード・セッションの時期になったので、久しぶりに何かアビィ・ロードに関する記事書くという、恒例企画(?)をしてみる。
You Tubeで今年2月頃にアッブされた音源で、ブートでは遅くとも2、3年前には出ていたようだけれど、正直77年にリリースされたWatching Rainbows、94年にリリースされたアンソロジー3に匹敵する出来だった。
この音源はフラグメントが多く、テープの前後に付いていた音源のみである。どうやら、09年に出たROCK BAND音源(演奏シミュレーションゲームで、その制作のためにリミックスを行ったほか、曲の前後に会話やカウント、エンディングなどを付加したもの)及びその流出なのかもしれない。アビィ・ロードだけではなく、他のアルバムも大量に出ているようだけれど、すごく貴重だった。
以下、曲ごとにコメントします。
この音源はフラグメントが多く、テープの前後に付いていた音源のみである。どうやら、09年に出たROCK BAND音源(演奏シミュレーションゲームで、その制作のためにリミックスを行ったほか、曲の前後に会話やカウント、エンディングなどを付加したもの)及びその流出なのかもしれない。アビィ・ロードだけではなく、他のアルバムも大量に出ているようだけれど、すごく貴重だった。
以下、曲ごとにコメントします。
The Ballad Of John And Yoko(4/14)
のっけから凄い音源で、おそらくこの曲のデモやアウトテイクが出たのは初めてではないか?しかも短いながらジョンのヴォーカルはいきいきとしており、このままリリースしてもいいのでは?と思う出来。遠くに聞こえるドラムはポールなのかもしれないが、本当にジョンはギター一本のテイク1ですでに完成している。個人的にはオフィシャルテイクのアレンジはあまり好きではない(なんか中途半端感がする)ので、スワンプっぽいのを目指したのかもしれないけど、B面のOld Brown Shoeの素晴らしいアレンジには負けていると思う。ぜひフル・バージョンで聴きたい。
Oh! Darling(4/20)
4月のホット・アズ・サン・セッションより。この曲ではリンゴがフィル・インを試行錯誤しているのがよくわかる。ジョンも元気。
Octopus's Garden(4/26)
これもホット・アズ・サン・セッションより。アンソロジーでははっきりとわかったが、ジョージのギター主導の曲。69~70年の彼のギターは、ひょっとしたら彼のキャリアのピークに違いない。
You Never Give Me Your Money(5/6)
かねがね疑問だった「ギターソロは誰が弾いているか問題」は、この音を聴くと解決。ピアノの音と同時に聞こえることと、この独創性は…やはりジョンで決まりか。
Her Majesty(7/1)
言われないとわからない。ポールがちょっとギターを弾いただけ。
Golden Slumbers(7/2)
今度はベースとピアノが同時に聞こえる。ということはベースはジョージ。
Here Comes The Sun (7/7)
ギターとドラムスとベースが聞こえる。おそらくジョンが交通事故から復帰する前のセッション。なんだ、ポールとも和気あいあいじゃないか。
Maxwell's Silver Hammer(7/9)
ジョンをして「どのレコードよりも時間とお金を使った」と言わしめた、悪名高き(?)セッション。Ob-La-Di,Ob-La-Daもそうだけど、ポールには発想をなかなか形にできない曲がままある。ムーグと他のメンバーに助けられて何とか形にはなっているが、他の楽曲群の出来からは少し劣ると言わざるを得ない。
Something(5/2)
この曲のレコーディングにはジョンは参加していないと言っていたが、冒頭にジョンらしき声が?
マル・エバンスに何か指示を出している。
Come Together(7/21)
マル・エバンスに何か指示を出している。
Come Together(7/21)
これは既出音源だが少し長く、歌詞に言及したり、有名な「中年野郎」発言がある。
Sun King(7/24)
ジョンが全然違う歌を歌い出す。Her Majestyと同じく、言われないとわからない。アンソロジー3のAin't She Sweetのほうがより同じセッションのような気がする。 それにしてもあれは期待外れだったなあ…。フリートウッド・マックのアルバトロスの完パクだと思うが、この前の曲はチャック・ベリーの完パクだし、病み明けのジョンはやっている。
Polythene Pam/She Came In Through The Bathroom Window(7/25)
いきなりカウベルが聞こえるが、これはメドレーのブリッジ部分のリハーサル。このジョンとポールのやりとり、そこに入ってくるジョージとリンゴ。この音源の最大の収穫は、この2分間だ。リンゴがアンソロジーで、アビィ・ロードについて「音楽に集中してる時の僕らは違う。演奏を聴くとノっているのがわかる」と言っていたが、まさにその息づかいを感じる。
ちなみに“Hello?”のノリは、Sgt. Pepper Outtakes Medley のLucyのところでも聞ける。
このメドレーの後、残すレコーディングは1曲(Because)で、ジョージ・マーティンの言う通りに仕上げたのだろう。水曜日(7/23)のThe End セッションがとてもよく、その勢いで翌木曜日(7/24)にSun king/Mean Mr Mustard セッション、そして週末金曜日(7/25)のこのメドレーセッションに挑んでいたのだろう。このメドレーこそがビートルズが4人揃って演奏した最後のセッションに違いないと思う。充実した3日間だ。
こうやって書いてはじめて気づいたが、この音源、Somethingを除き、レコーディング順に並べられている。これは確信犯で、ちょっと擽られる。だから、I Want You (She's So Heavy) が入ってっていないのは一番早い2月のセッションだからかもしれない。Somethingも、7/10から18までにリメイクがあったのかもしれない。 それぞれの曲のあとに私が推測するレコーティング日を入れてみた。
Because
これも既出音源だが長く、リンゴがハンドクラッピングをしながらふざけている。
いかがだったでしょうか。フラグメントばかりだけど、2年後のデラックス・エディションが期待できるのではないでしょうか。
I Want You (She's So Heavy)のエンディングも聴けるかもしれない。
繰り返しになるが、この音源の収穫は「ビートルズは最後まで熱かった」ということが確認できたことに尽きる(Ain't She Sweetのようなやる気のない演奏ではなく…?)。
またアビィ・ロード熱が再燃してしまった。
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