« 老人手帳 | トップページ | ZeppナンバでJokermanに会う »

2013年5月11日 (土)

サンダーバードの秘密基地~THE BEATLES USB BOXを聴く

たまに、「ビートルズ  USB」で検索してここに来る人もいるようなので、書いてみる。
前から欲しかったものの、なかなか手を出せずにいたが、予定外の収入があったので思い切ってこの度購入に踏み切った。国内正規価格の半額ぐらいまで下がっているので、狙い目だ。でも年末あたりに廉価盤(棒?)が出たら、シオシオだが…。

まず、音をどうのこうの言う前に、全世界のビートルズ・ファンのうちの3万人となったこと(追加発売されたっけ?)、40年間いつも聴いてきた音楽への想いを実体化するような青リンゴのオブジェだ。大きさはスモモぐらいの大きさで、テニスボールより小さく、ピンポン球よりは大きい。そして、ずっしりと重い。音を聴いたり、画像を見ながらためすながめつするのにちょうどいい。
リンゴの茎の部分は力を入れると取れやすいという情報もあったので、すごく神経を使う。引き抜きはぜんぜん問題がなく、ガサガサである。

1_2
(わかりにくいけれど、USBを突っ込むとビートルズアイコンがエクスプローラーに表示される。ちなみに24bitファイルはエクスプローラーからしかたどり着けません)









2_2
(画面にはまんまの画像が…)










3
(カーソルを置くと「MUSIC」「VIDEO」「ARTWORK」が表示)










4
(「MUSIC」をクリックすると下にアルバムが)








5
(さらにアルバムをクリックすると、1曲目から再生開始。自動的に16bit)」







 

6
(「VIDEO」をクリックすると、例のドキュメンタリーが)







 

7
(「ARTWORK」をクリックするとやっぱりアルバムが表示されて…)







 

8
(ブックレットをめくることができる。めでたしめでたし。)










さて、肝心の音だが、PCオーディオは敷居が高い。これがすべてだ(何じゃそりゃ)。
まず、何で聴くか。ソフトは何か。DACは何か。アンプをどうするか。ヘッドフォンかスピーカーか。どう接続するか。PCのサウンドカードを経由するのか、補正するのかしないのか、したほうがよいのか、しないほうがいいのか、するとしたらソフト、DAC、アンプのどこで行うのか、アップサンプリングするのかしないのか、あるいは、私の可聴領域にあるのかどうか…。これらの組み合わせは数多いため、出てくる音の原因がわからない。
「だからこそ、一つ一つ試みていくことにオーディオの楽しみがある」と言われてしまうとそれまでなのだが、私はただビートルズの最高音質を聴きたいだけなのだ。難しいことは誰かにお願いする。

したがって、私が聴いた音が 何にもたらされたものかは未だにわからないでいる。わかったのは、ネット情報はすべて個別性が強い、ということ。誰一人として上記諸条件を同じくして感想を書いているわけではないし、個体差(聴く人の可聴領域)の比較もできない。少なくとも、「PCにヘッドフォンを繋いだ音だけでも24bitと16bitの差は歴然」と書いている人は、私より相当可聴領域が広い人だろう。また、「はっきり言って大差なかった」と書いている人の中には、相当数上記条件のどこかでミスチョイスがありそうだ。さらに「歴然」とコメントしている人の中には、「リマスターCDは未聴だが」と書いている人もいる。もう、何がなんだかわからない。

ずいぶん長い前置きだったが、私の極めて個人的な体験を書くと、まず、フツーにいつも聴いている安物のアクティブPCスピーカーから音出しをした。FLACを聴くためにfoobar2000を導入して再生した。特に、どうということはない。これはマズイ、と思い、ヘッドフォンで聴いてみる。すると、24bitにせよ16bitにせよ、いつも聴いているリマスターCDをXアプリに取り込んだ音よりも、相当素晴らしい。
この時点で、様々な要素が介在する。PCで音楽を聞き始めて7、8年になるが、その間XP→7に変わり、マザボも変わった。私はその変化に気がついていない。
まず、リマスターCDからリッピングしたOPEN MGよりもMP3のほうが断然音がいい。これはXアプリで聴いても同じことなので、ATRACでのリッピングに問題があったとは思えない(もちろんレートは同じ)。
最も濃厚な線は、CDからリッピングしたMP3よりも、USBのMP3のほうが音がいい、ということだ。よりジェネレーションが高いということもあるかもしれないし、どこかで損失が発生して(させて)いる可能性は高い。
しかしこの後、モノボックスをMP3でリッピングし直したところ、音質が向上したのだからよくわからない。

次に、高価なDACが欲しいところだが、「高価なアンプ」も「高価なスピーカー」もないので(ちなみに「高価なヘッドフォン」も持っていない)、それよりは安価なオーディオインターフェースを中継した。ま、外付けのサウンドカードみたいなもの。
残念ながらDAC機能は24bit/44.1Khzに対応していないので、48Khzにアップサンプリング。そしてアナログ出力をアンプに繋ぐ。比較のため、インターフェースから光出力でアンプに繋ぎ、DAC機能は10年前のアンプに委ねる。
すると、DDC機能でステレオに光出力をしたほうが、このインターフェースの高音質化機能をショートカットするにもかかわらず、明らかに音がいい。ジッター軽減とか、一部機能が有効なのか。
おまけに、私が持っている10年前のアンプのDAC部は、ネットで「クソ」とまで言われているので、私の耳が「クソ」の可能性は高い…。
光出力した場合には、インターフェースでDACしたものよりも、出力自体は低いように感じるが、周波数帯は均一に広い(ように感じる)。耳に心地いい。

このあと、スピーカーを取っ替え引っ替えしたり、設定をいろいろ弄ってみたりしたが、結局インターフェースをDDCとして使用するのが一番いい。
どこまでいっても、音質が向上している理由がわからない。24bitと16bitの違いはまだまだ微妙だ。16bitのほうが少しドンシャリだ、と言われたらそんな気もするし、24bitのほうが出力は低いが、周波数帯は均一に出力している、と言われればそんな気もする。
あ、24bitと16bitと間違えて出力してた!と気がついてもわからないかもしれない。
ともかく、おかげで再生環境がよくなり、今まで聴こえなかった音も聴こえるようになったのだから、よしとしよう。実は、何曲かレビューも書いてみたが、以下のエピソードにより、書くのをやめた。「もう他のものが聴けない」は手に入れることができた。


その昔、イマイのサンダーバード秘密基地が欲しかった。子供のプラモデルは500円が標準だった時代に、2000いくらした。今ならなんとない金額だが、小遣いをもらっていない小学生が親にねだれる金額ではなかった。
しかし、小遣いももらっており、かつ、家も持ち家で金持ちの子供の家には、あった。もちろん、そんな家には、秘密基地以外にも、贅の限りを尽くした玩具が転がっていた。
今から7、8年くらい前、子供の玩具をトイザらスに買いに行った時、アオシマから再発したものを見つけて、思わず衝動買いした。衝動買いというより、「衝撃」買いという感じだった。価格は当時とさほど変わらないものであったが、ほぼ40年を経て秘密基地と対峙することになった。
家に帰って、このラッカーと、あのラッカーと、このモーターが必要だとわかり、近くの模型店で売っていることも確認した。でも、作ることができない。もったいないのだ。2つ買っておけば良かった。しかたないので、ミニ秘密基地を買って、こちらを組み立てることにした。しかしこれも、手をつけることができない。
思えば、私は「秘密基地が欲しかった」のであり、作りたかったのではなかった。作らないことには秘密基地ではなく、「欲しかった」を満たすことはないのでは、との意見もあると思うが、私が作った秘密基地は、手に入れたいと空想した秘密基地ではないかもしれない。何より、「秘密基地が欲しい」と思うとき、瞼に浮かぶのはイマイの「箱」であり、完成したプラモデルではないのだ。

安敦さんのブログで、半年間親にねだって買ってもらったオモチャは捨てても、雑誌の広告ページが擦り切れるほど物欲をほとばしらせた物というのはその後も脳裏をよぎる、というようなことを書いておられたことを思い出した。
幻想の中に悶えつつ私は、高価なオーディオを入手し、うわっ!全然24bitは違う!と歓喜に打ち震えている自分を想像する。秘密基地への道は、まだまだ続くのであった。

Himitsu_3

|

« 老人手帳 | トップページ | ZeppナンバでJokermanに会う »

THE BEATLES」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: サンダーバードの秘密基地~THE BEATLES USB BOXを聴く:

« 老人手帳 | トップページ | ZeppナンバでJokermanに会う »