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2013年5月 6日 (月)

『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』リマスター記念 ポールのアルバムについて 第4回「レッド・ローズ・スピードウェイ」

Redほとんどリアルタイムのアルバムで、相当聴いたはずにもかかわらず、私自身アルバムとしての印象が薄いのはなぜだろうか。
“My Love”以外に強烈な曲が見当たらないのも理由の一つだ。

その“My Love”以降は、ピアノ主体の曲が続く。前作が酷評されたことから、もっとマッカートニー色を強く打ち出しつつ、本人はバンド色を打ち出したいとした折衷が表れている気もする。
単純に、アレンジが良くない。1曲目の    “Big Barn Bed”から、TV「ジェームス・ポール・マッカートニー」のバージョンのほうがいい。テレビを見てからこのアルバムを聴いたから、余計にそう思ったのかもしれない。他のワイルドめの曲も、前作みたいなテイストにならないように、似たようなエコーがかかっている。なぜか聞き疲れする。

話は逸れるがポールのシングル曲は、“Another Day ”から“Coming Up”ぐらいまで、どの楽曲も完成度が極めて高い。それから言えば、このアルバムの収録曲はどれもB面曲のグレードだ。“Little Lamb Dragonfly”やWhen The Nightもいい曲だけれど長い。コーラスが酷い。たぶんビートルズでやってたら、もっとコンパクトにメリハリが効いていただろう。
デモのレベルだ。“Ram On”みたいに割り切って1分の曲にしたりもない。後半はメドレーにしているが、これもかえって散漫さを増す。アビィ・ロードや、“Uncle Albert / Admiral Halsey”のようにそれぞれの曲の個性生きる仕上がりとなっていない。“Loop”のように単調で長いインストが入っている。

結局、アソートが悪い、という印象。どうも、このアルバムにポールの仕上がりが間に合っていなかったのではないか?ポールのアルバム、というだけで売れるのだから、ジョージ・マーティンやビートルズのメンバーのように、制作時にダメ出しをしてくれる人間がいなかったのではないか?
もちろんポールでしか書けない秀逸なメロディーであり、そのレベルは平均を大きく凌駕するのだけれど、完成度はもっと上げられるはずなのに、と思ってしまう。
曲順か?例えば、

1. One More Kiss
2. Get On The Right Thing
3. Single Pigeon
4. Medley: Hold Me Tight/Lazy Dynamite/Hands Of Love/Power Cut
5. Big Barn Bed
6. When The Night
7. Little Lamb Dragonfly
8. My Love
(Loupはボツ)

趣味の問題だが、こうすると私はグッと聴きやすい(だからと言って、次作に匹敵するわけではないが…)。曲数が足らないなら、最後に "The Mess"でも入れておけばいい。
このアルバムは前作よりも好成績だったが、結構厳しい評価にも晒されたようであった。後に続く数作はこのあたりが改善されているので、本人も制作にやや不満があったのではないだろうか。

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