« 2010年8月 | トップページ | 2011年2月 »

2010年11月

2010年11月27日 (土)

赤盤・青盤

今年の秋のビートルズ・リリースは、赤・青だった。去年がアンソロジー以降最大・最強のリリースだったために、ちょっとショボい。ベスト盤のリマスターってどうよ、まだオールディーズだったらいいのだけど。それに、赤・青は、3年前にも再発しているし…。

私が最初に買ったビートルズのLPは、赤と青だった。決して中坊には安い買い物ではなかったけど、それほど入れ込んでいた。

内袋に歌詞も印刷されていたし、邦盤のブックレットは学校の放送室で見ることができたので、一円でも安く入手すべく、輸入盤、米盤を買った。私が一番最初にビートルズの洗礼を受けた曲は、“HELP″だった。すでにシングルも持っていたが、是非ステレオで聞きたかったので、予めボリュームを相当上げておいて、赤のサイド3一曲目に表記されている、その曲に針を落としてみた-

…何が起こったか、ビートルズに相当詳しい方はわかっていただけると思う。

さて後年、日本盤で赤・青を聞く機会を得た。しかし漠然と、何かノイズは少ないもののインパクトが足りない、そう感じたことを覚えている。

CDでは、“FOR SALE″までがモノ標準とされ、そもそも“FROM ME TO YOU″に至っては擬似も含めステレオ・バージョンがないと初めて知ったが、いやそんなはずはない、俺の赤盤は米盤だから全部ステレオのはず、と何十年ぶりに赤盤に針を落としてみた。すると…

“FROM ME TO YOU″がモノかステレオか、なんてどうでも良くなった。酷いスクラッチ・ノイズがあるものの、そのドライブ感は凄く、錯覚かもしれないが倍音まで聞こえる。キャピトル盤は派手な味付けがされている、とは言われているが、この音こそ私のビートルズの音だし、その後の音楽遍歴を決定づけるサウンドだったことがわかった。特に“RUBBER SOUL″からの収録曲は、秀逸だった。

キャピトル・ボックスは私を満足させるものだったが、それでもアナログのダイナミックでありながら繊細な感じの再現ではなく、ますますオリジナルCDの音に抵抗を感じるようになった。

昨年のリマスターCDは暗黒の20年に終止符を打った(ちょっとオーバー)訳だが、20年前にはオリジナルCDを聴いて、アナログからの音の、特に中低音の表現に驚いたことを覚えている。私が驚いたアナログの音は、30年ぶりに今の再生した音であって、当時の再生装置で再生した音ではない。しかもモスキート音が聞き取れない耳で聴いている。USBメディアのリマスターが想像を絶する音で、アナログ初回プレスの神格化を一蹴するものらしいので、早く再生装置が手に届くようになって欲しいものだ。

リマスターCDには非常に満足しているが、それでも時々、私はキャピトルアナログから落とした赤盤を聴く。
今回アメリカで発売された赤盤は、やはり全世界統一音源なのだろうか。

you tubeにしては濃い?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年8月 | トップページ | 2011年2月 »