SiCKO
BSフジ「美奈子・玲子のシネマ☆パラダイス」でマイケル・ムーアの「シッコ」を見た。面白かった。他の作品を見ていないが、これはバラエティーだ。昔、「探偵ナイトスクープ!」で「中華鍋で衛星放送は受信できるか」という依頼があり、ほんの少しだけ受信していたが、普通ならここまでのところ、衛星アンテナで炒飯を作ってみせていたのに感心したことがあるが、あのノリだった。
唯一…、ラスト間近で、最強の反ムーア・サイトが管理人の妻が病気のためサイト運営がままならなくなった、との事実に対し、「これはおかしい。本当は安心して医療を受けることができ、彼の言論の自由は保証されるべきなのだ」として、1万ドル相当の小切手を匿名で彼に送った、というのだ。彼の妻はほどなく回復し、彼も以前と変わりなくサイトを運営できるようになった…というところで彼のサイトのワンフレーズが大写しになる“恥を知れ!″
うーん、やり過ぎ、のような気が。彼の横っ面を札束で叩くような。しかも匿名なので、彼はムーアと知っていれば受け取らずに、自分を買収しようとする奴だ、と書くだろう。おそらく映画で明らかにされた以上、もはや継続することも難しいだろう(寄附を返していれば別だけど)。
異国人の私としては、本編の医療問題以上に考えさせられた。自らの収入の一部を戦敵に与えて、戦うことのほうがフェアだと彼(ムーア)は考えたのだろうか。医療問題を抱えているのは反ムーアサイトの管理者だけではない。映画に登場した人々だって同じだ。なぜ、ムーアはこのサイトの管理者だけを取り上げ、寄附をしたのか。匿名で行った行為を、映画公開するというのはどういうことなのか。それとも全部「ネタ」なのか。
映画が終わってそんなことを考えていたら、フジの女子アナ二人が感想を述べていたが、「(ムーアが)ハリセンボンに似ていた」とか、「海外旅行に行く時には保険に入りましょう」とか、トンデモだった。こんな秀逸なドキュメンタリを2時間放映した後なんだから、少しは送り手として感じたことを話して欲しかった。
なぜか"Street Fighting Man"。
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コメント
great post as usual!
投稿: MarkSpizer | 2010年5月 3日 (月) 19時31分