妄想竹。
追加して、「パンダコパンダ」には、どうしても釈然としないことがある。
パパンダはミミちゃんのお父さんになり、ミミちゃんはパンちゃんのお母さんになってあげるパラドックスである。パパンダからすれば、ミミちゃんもパンちゃんも子供であり、姉弟関係となる。あるいはパンちゃんからすれば、パパとミミちゃんは夫婦関係ということになる。
先の特典映像で高畑監督もその点に触れており、「2作目から見た人は、パンダと女の子の間にパンダの子供がいて、あれっ、と思う」といったことを確か話していた。
物語において、このパラドックスに触れる部分はない。ミミちゃんがパパやパンちゃんと一緒に寝るわけでも、お風呂に入るわけでもない。一作目のラストでミミちゃんがパパの帰りを待っていたりするのを見ると、結局役割よりも「家族」ごっこに重点があり、二作目は全編仲良し三人(匹)な感じになっている。
だがしかし、先の高畑監督の発言も踏まえて本作を今見ると、実に確信犯的にこういった設定を置き、見る者を物語に引き込んでいるのではないか、という気すらする。
「パパは…パパは抱っこもしてくれるんだよ…」とミミちゃんが照れながら言うシーンは、エロい。私自身が過剰反応ではないことの証として言わせて貰えば、このシーンは本来、要らない。「私がパパになりましょう」と言われて天井で頭を打つほど喜んだのだから、ここは子供らしく「わーい!」と叫んでパパに抱きつけば健康的なものを、こんなことをわざわざ主人公に一旦させる。
私がどうしてもナウシカやラピュタが…というか宮崎作品が好きになれないのも、この辺の過剰さにある(演出的には、ただ飛び付くよりも遥かに良いのかも知れない。)。
結婚して子供が出来た夫婦の多くは、互いに「パパ」「ママ」と呼び合う。そう言えば、照れながら「ミミコ」と呼ばせる件もあったかもしれない。つまり制作としては、仮想「親子」ではなく仮想「夫婦」なので、やっぱり例の件は確信犯である。子供目線で見た夫婦の男女関係を暗示している。
甘ーい子供向けのお菓子に、実はたっぷりリキュールが使われていた、という感じである。ハイジは知らないが、少なくともカリオストロには同じアルコールの香りがする。
あまり妄想を垂れ流すとファンの方から厳しいお叱りを受けるので、これぐらいにします。すみませんでした。
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