Forever Young
ボブ・ディランについて何か書く、というのはビートルズやツェッペリンと違って緊張する。だからこれまで書いたことがない。
この30年間、これほど驚かされるアーティストはほかにない。
・ザ・バンドとやった復活ライブ。伸びやか~。
・「ハード・レイン」の原曲をまったく崩しながら、しかも強烈なインパクトで訴求するパフォーマンス。あれで私の心は完全にわしづかみにされた。
まったく表情を変えた“ONE TOO MANY MORNINGS”。何かをしながら聴く、なんてことはできない。
・その直後の来日公演。打って変わる大編成ライブ。しかも松下電器(現パナソニック)がスポンサーとなったため、大阪公演は松下電器の体育館(正確には「工学館」という多目的ホール)。
・85年ライブ・エイドの極端に地味なパフォーマンス。
・その後やや下火になるも、トム・ペティとのジョイントで見せる怖いものなしのライブ・パフォーマンス。今日でも、“LIKE A ROLLING STONE″と“IT'S ALL RIGHT,MA″“TRUE CONFESSION TOUR″が最高だと思っています。
・好調なライブと裏腹に、才能も枯渇したかと思わせるようなアルバム群の後、突如世に出た傑作、オー・マーシー。捨て曲なし。
枯れきった声、ヒキガエルのような声。今までとは違って語りかけてくるるようなディラン。1番好きなアルバムだ(ちなみに2番はプラネット・ウェイブかハード・レイン)。どこかジョン・レノンを彷彿させもする。
・いきなりの、公式ブートレッグ3枚組。詰め込み過ぎのため、初回盤はエラーが多く、すぐには再発されなかった。
素晴らし過ぎて、どうしてこれらがボツになったかわからない。
・91年グラミー賞受賞時のパフォーマンス、怒涛の“MASTERS OF WAR″。痺れるほどカッコイイ。
見よ聴けこの勇姿。クラプトンがTVで観てて泣いたという、91年のグラミー。
・一転、スラッシュのギターで始まるアンダー・ザ・レッド・スカイで酷評。「いずれ新曲が聞きたくても聞けなくなる時がくる」と不穏な発言。しかし私は、タイトル曲だけは絶対に捨ておけない。
・いきなりの、公式ブートレッグ3枚組。詰め込み過ぎのため、初回盤はエラーが多く、すぐには再発されなかった。
素晴らし過ぎて、どうしてこれらがボツになったかわからない。
・アンダー・ザ・レッド・スカイ後の発言を裏付けるべく、トラディショナルのカバーアルバムばかり2枚出す。またこれがいいんだ。“BROKE DOWN ENGINE″とか。
・30周年記念コンサート。並み居るビッグ・アーティストの競演にも関わらず、ソロ・ステージの“IT'S ALL RIGHT,MA”“GIRL FROM THE NORTH CONTRY”で全部持っていってしまう凄さ。
・93年、アンプラグド企画を遂行すべく、サパークラブで4回のショウを行うが全部ボツに。
・94年来日。アナウンスとともに始まる“JOKERMAN″。砕け散るウィストン・ワトスンのドラムスティック。今日まで体験したライブの中で、最もインパクトの強かったライブ。後日、ブートを捜し回ったものだ。
・その3ヶ月後突如再来日、「東大寺GMEあおによしコンサート」。幻想的な雰囲気のなか、マイケル・ケイメンのオーケストラと、大仏殿をバックに“HARD RAIN″“BELLS″“RELEASED″とこの上ない3曲を披露。名演。
・Greatest Hits vol.3発売。 VOL.1とVOL.2の間隔が4年、次のVOL.3が何と23年ぶりに発売される。なぜ?
・ソニースタジオでアンプラグド収録。CD発売後、すぐ回収。テイクや曲の差し替えではなくて、オーディエンス・ノイズの差し替え。
・4度目の来日。“61″や“FOREVER YOUNG″は忘れられない。
伝説のデビッド・レターマン・ショウ。
・ローマ法王御前コンサート。ヨハネ・パウロ2世に“FOREVER YOUNG″(!)を歌う。
・98年グラミーでのパフォーマンス。“SOY BO(M)B″乱入。
・ブートレッグ・シリーズVOL.4「ロイヤル・アルバート・ホール」。実はマンチェスターでのライブなのに、ブートレッガーが騙ったのを、そのままタイトルに。
仙台公演を「武道館」と言って売るようなものだが、パクり返すところがいい。
・2001年再来日。初日の大宮公演では、ライブ終了後、ホールから大宮駅まで何と徒歩で向かっため、ファン大喜び。
・2002年8月、37年ぶりにニューポート・フォーク・フェスティバルに出演。ヅラとヒゲを付けて出る。
・また同年10月よりギターをほとんど弾かず、キーボードをメインに弾いてライブを行う。ギターには表現力に限界があると判断した、とのことだが、あなたの40年間は何だったのですか。
・また同年、映画出演。「ボブ・ディランの頭のなか」本当に頭のなかを知りたい。
・2004年、初めてのCM出演。商品は「女性下着」。本当に頭のなかを知りたい。
・2007年、ディスクジョッキー(!)を始める。孫の幼稚園で唄う。ここ数年、ネタっぽいことばっかりだが。時系列を無視した、初の自伝も出版。(続く)
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