8月8日
8月8日11時35分、このアルバムのジャケットが撮影された。
1986年の2月25日火曜日朝11時15分、私は念願のアビイ・ロードに立った。
あの写真から約16年と7カ月、私がアビイ・ロードを聴いてから11年と6カ月、すでにジョン・レノンは5年ほど前にこの世を去っていた。
たまたま宿泊したホテルがCLEARANDON COURTだったので、よくみなさんが書いておられるようにSt.John's Wood駅からではなく、逆方向から歩いていった(つまり南西方向から)。非常にわかりやすかったのだけれど、最後、地図上ではすぐそばなのにそれらしい風景が出てこないな…と思っていると、通りが右方向に大きく旋回して、曲がってすぐのところがあの、ジャケットショットの位置だった。
写真には映っていないが、当時確かゼブラゾーンはなくなっていたと思う。このすぐ手前に、地名表示板があった。
14年後、2000年に岩上さんがおいでになった写真も掲載 させていただいたが、私が行った時は2回とも人気が 少なく、壁の落書きも大してなかった。岩上さんの写真にはピカチュウまで…。
それにしても、何とも“聖地”であった。一番上の写真の、左奥に見えるバスストップにも永らく座っていた。真夏のジャケットとは違い、樹木は裸んぼうである。確か少し小雨も降った記憶があるので、路面も濡れてはいた。非常に寒い日ではあったが、ここは私が憧れに憧れ続けた場所に間違いはなかった。
ご参考までに、2月25日にビートルズが使用したのは、69年に“SOMETHING”“OLD BROWN SHOE”の第1テイクをジョージが一人で録音したのと、64年に“YOU CAN'T DO THAT”“AND I LOVE HER”“I SHOULD HAVE KNOWN BETTER”のレコーディング、63年にアルバム“PLEASE PLEASE ME”のマスタリングであるから、厳密には64年だけということになるかもしれない。
次に建物であるが、かなり長い時間横から縦から斜めから眺めていた。今後一生の間に何度も来れる場所ではない、という想いも強かった(翌朝もう一度行ったが)。
少しびっくりしたのは、通りに面している場所は白く美しく保たれているが、奥の方は非常に古く、かつ大きかった(写真には映ってませんが…)。まるで2つの建物を1つにしたような建物だった。
あれから、さらにまた22年と6カ月が経った。つまりあのジャケットを撮ってから私がはじめて行ったときまでの期間よりも、時間が経ってしまったわけだ。
そろそろまた行きたいものだが、岩上さんにうかがっても、よそのサイトを見ても、いつも人がいて、落書きも多いとのことである。99年8月8日のイベントの様子を見たが、あれは壮観だった。まるでデモ行進だった。世の中には渡りたい人が多いのだなあ、と感服した。
で、聖地にWebカメラが設置された(^^;;;;
うーん、やはり聖地である。素晴らしい。できればショットは南西側からにして欲しかったが、これで「行きたい!行きたい!」病が軽減する。
私がはじめて行ったころ、例えばスタジオの場所なども、私の時代ではビートルズ事典(香月利一編、立風書房、74年)に掲載されたのがはじめてだったと思うし、実際86年に行ったときも同書を立ち読みで場所を押さえたのであった。
簡単に行けるようになったのはいわゆるエージェントによる「ビートルズツアー」などが出回ったっことに加え、インターネットが普及したことにもよるものだろうか。そういった経緯で俗化していく過程にしても、アビイ・ロードは高野山なのであった。
今年は、69年と同じ曜日周りだ。あのジャケットに写っているビートルズ。すでに月曜にBECAUSEをレコーディングを終了させ、4人としての仕事は終わっていた。全曲が揃って、それぞれの自曲に手直しを入れているビートルズである。明日からは週末。ほとんど終わって、ジャケットを撮っていたのだった。(08.08)
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